アトリエ“EGRES”本舗

工房記
〜ガレージキット作製記録〜


2発目
1/6 大空寺 あゆ ボンテージVer.
【ディーラー:ボークス】






評価版 試練のいけにえ「あゆ その2」

最初の1体が完成して間も無く、極個人的な問題が持ち上がりました。
まあ、別に大した問題でもないって言えばそうなんですけども。
簡単に言えば「時間が足りない」ってことです。
もちろん、仕事との絡みでもなんでもなく、ホントに個人的なコトでして。それが何かと聞くかい?
それは、コレなのです。

なんとも微妙なタイミングでのリリースとなった「君が望む永遠 Latest Edition ]です。
“Latest”とはまた何とも形容し難いサブタイトルですけれども、まあ、最新でもあるし最後でもあるでしょうから 素直にそんな感覚でうけとりましたけど、ね。
売りとしては「後日談」の追加、及び「マブラヴ・オルタ」でも視覚効果に貢献した「AGES」の付与、といった 所でしょうか。

それはさておき、これをやりつつ他の事もやりつつ、となると、どうしても時間が限られてきてしまいます。
毎日仕事に全力投球、部下に無様な姿は見せない、が私のモットー(あくまでモットーです。現実はそうもいきませんが) ですし、何よりもう体に無理もさせられないお年頃。必然的に時間枠が狭くなってしまいます。

とはいえ、だからといって手をかけない訳にもいかないガレージキット。
もう、造るのが楽しいってのもありますが、一発目ができあがった時の達成感がコトの他大きかったというのもあって 造りたくてウズウズ、というのがホントのところです。
てなわけで、2発目に挑むことに相成りました。
で、今回チョイスしたのは、ズバリタイムリーなキャラです。
「君望」とくれば、もう断然このキャラですよね。そう、「涼宮 茜」です…って、ありませんがな!
そうじゃなくて、ついこの間入手したコレ



そう、再び「大空寺 あゆ」です。
もとはかなり前に販売していたもので入手不可に思われたキットなんですが、ボークスさんでエアブラシ買ったときに 何気に通販のページを見たら売ってました。
ので、即購入してしまったモノです。ついでに制服Ver.もありましたが、さすがに1体が高価ですのでやめときました。 いま思うと、その時無理をしてでも買っときゃよかったかな、と後悔。
なにしろ既に売り切れですので。
まあ、そんな事もあって、前回のあゆと並べてディスプレイすべく着手することになりました。
ちなみにこのあゆが完成して、君望キャラはようやく3体目。
君望あんなに好きなのに少ない気もしますが、そこはそれ、これから、ということで…


 
その1 パーツチェック 

早くも恒例のパーツチェックです。
開封1番思ったのは
「ちっせ〜!」
です。
いや、ほんとにちっこいんですよ、1/6とは思えない程。
まあ、元が「ちんちくりん」ですから、仕方がないんでしょうけど。
なもんで、パーツの一つひとつが小さく、オマケに点数も多い(方だと思う)。
組説を見つつ…



うむ、揃ってますな。

今回のキット、レジンの色はいわゆる「フレッシュ(アイボリーみたいな色)」です。
前回のりざあ堂さんのあゆが綺麗な真っ白けだったのと比べると、このフレッシュ色は どこか退色しているんじゃないかと錯覚して しまいがちですが、こちらが本来(というか昔ながら)の色です。
こうなると、前回の塗装でめちゃくちゃ悩んだ「肌色」も、また悩みそうです。
いっそ今回は「サフレスにチャレンジ!」で行こうかとも考えますが、 ま、それは後のお楽しみってことで。


こんな感じ

しかし、ざっと見たところ、表面は良さげです。気泡も今のところ見当たりませんし。
ただ、またぞろ段差が大きい部分がちらほら、と。オマケにゲートが大きいの何の。
無下にニッパーでペキン!てわけにもいかないようで、こちらも手がかかりそうです。


その2 クリーンアップ

今回のあゆはスケールが一回り以上小さいので、洗浄も神経を使います。
とは言え、やる事は一緒なのでさくっと洗浄をば。
パーツが小さいので失くさないようにしながら、洗剤とクレンザーのみっくちゅじゅーちゅでごしごしと。
今回は「秘密兵器」を投入します。いわゆる電動こけ…いや、電動歯ブラシです。
前回のあゆ以上にツインテール部が入組んでいますので、けっこう重宝します。
わりと短時間で終了、意外にあっけなく終わりました。


その3 下ごしらえ

さあ、いよいよ試練の時、「表面処理」です。
やはりパーツがちっこいので殊更慎重に進めましょう。

バリが目立たなかったせいか、楽勝と思われていましたが、そんな事はありませんでした。
全てのパーツに段差があったり、細かいバリが連なっていたりと、ヤスリ応え満載です。
とりあえず今回はボディから攻める事と相成りました。
いや、ホントはまたぞろ「おみ足」からとも思いましたが、ヒール部分がえらい事になっているのと、このあゆの 最大のポイントである「胸」を綺麗にしたいのとで、やはりボディからです。
上半身はわりとすんなり表面処理が進みます。で、下半身へ。
今回の山場、腰から太ももにかけてのパーティングラインです。



どうしたものかと思案した結果、まずはパテ盛りを。
これは均すためではなく、ラインが消えた目安にするため。要はパテのグレーが消えるまで均すことが 前提です。というわけでラインにそってベターっと。
このまま乾燥を待ちます。

その間、「おみ足」の処理を、と。
今回のおみ足は殆ど素肌が見えません、というかありません。ふとももだけです。
絶対領域から先はボンテージ衣装なので、えらい細かい細かい。
慎重に、かつ丁寧にヤスッていきます。
途中でヒール部分の処理を、と。
ランナーならぬ「板」がそのままくっ付いているヒール裏部分をナイフでこそぎ、ペーパーがけ。 う〜ん、ピンヒールっていいですなぁ、と想いながら整形していきます。
これを左右両方。

そうこうしている間に(つっても既に2日経ってますが)腰部のパテも乾燥し表面処理へ。



うむう、やはり結構キツイですなぁ。いろんな意味で。

次は腕を、と。
こちらも上腕中ほどからはボンテージのグローブですので、これまた細かいし。
しかし、手先は見惚れるほどの造型となってますなぁ。



見事なまでの指先表現です。ちっこいのにさすがボークス、といった所でしょうか。
指先まで丁寧にヤスリがけしたところで、お顔へ。

お顔はわりと簡単です。今回は特に手をかけず、ヤスるだけ。
で、髪の毛に移る訳ですが、これが今回の大・大誤算となろうとは…


その4 思わぬ「造型」

前髪の処理が完了し、ツインテールの左も処理を終わらせます。
で、右のテールを手にして、先端パーツのゲートを取ってプリフィットしてみると…
何たることか、パーツが違う!
うがあぁぁぁぁ!ぬかったあああ!
部品点数はチェックしたのですが、プリフィットはまだしてなかったし…
どのみち、ゲート落とさなきゃプリフィットできないんで並べてチェックするだけにしてたのが まずかった。 先端部分ならエポパテで造っちゃう事も出来ますが、テールの本体ではどうしようもない。
メーカーに部品請求しようか、とも思いましたが、説明書には
「購入後2週間以内にご連絡ください」
だって。
正規ルートでの購入なんで請求に否はないが、期日が過ぎてしまってはどうする事も出来ない。
さて、どうしよう、と考えた結果、本体をそのまま使ってしまおう、となりました。
という事で、先端の別パーツになっている部分を造る事に。
いやあ、思わぬ所で躓いてしまいました。
開封から既に2週間、ここに来て一気にペースダウンです。
というか、途中「君望LE」をやってたんで、ペースダウンしっぱなしなんですけどね…
という事で、ここで別の処理を、と。

実は、ツインテールだけではなかったのです。
あの「すかてん」マークのチェアーも、実は大仕事になってます。
なんといいますか、その、パーツが「合わない」のです。
という事で、こちらもムリくりくっ付けてパテで整形となりました。
うう〜ん、物凄く手強いな、さすがあゆだ。一筋縄ではいきません。



その5 プリフィットチェック

髪の毛とチェアーは後回しにして、とりあえず処理の完了したパーツをプリフィットチェックする事に。
まあ、今後はこれをまずやる事にしましょう。反省反省。
というわけで、ツインテールを除いた部分をつなぎます。
親切な事に、ストリンガーというかフレームというか、そんな用のダボ孔が初めから穿ってありましたので、すこし 深めに取り直してアルミ線を挿入して仮組み。



うむ、バッチリですな。ここまでは。
さて、残すはツインテールとチェアーなのですが…

その6 「その4」の続き…

ひとまずチェアーに関しては溝をパテにて埋めることに。
ここで1つ問題が…
実はチェアーのクッション部分を「白」にしようと考えていたのですが、それだとグレーのパテでは具合が 悪いです。下地が隠れきらないと綺麗にならないしね。
てなことで、急遽ホワイトパテを入手、そしてぺたくたと溝に埋め込んでいきます。

で、本題のツインテール(片割れ)部分ですが、どうしようかと考えた挙句結局どうもこうも無くエポパテ 盛り削り工法で行く事にしました。
一応プリフィットの段階で、テール本体とチェアーとの干渉は避けられる事が確認できたのでその点は安心です。
あとは形的な「バランス」です。
取っ掛かりとして、もうそのまま本体にパテをくっ付けてしまいます。
ところが、どうにもこうにもイメージが湧きません。この段階ですでにある程度の形状にしておく必要はあるのですが、 元々デッサン力に乏しい上、技量もない、しかも複雑この上ないあゆの髪型に馴染ませないといけないし、かなり 悩みます。
まあ、何とかなるべ、と、イメージが固まらないまま勢いで付けてしまいました。



硬化する次の日まで中断です。


2日後、硬化したことを確認して作業再開。
どうにもボテッとした状態から、ひたすらシャープになるまで削ります。
イメージを優先しつつ、本体との流れをあわせながら整形していきます。
とはいえ、難しいものですなぁ。ここにきてやり直しは勘弁して欲しいので慎重に、慎重に…
所々気に入らない部分はラッカー系パテで補正しつつ、さらに整形。
この作業だけで足掛け2週間です。トホホ…

シコシコと削りつつ、パテを盛りつつ、一応形にはなりました。



まあ、私にはここいらが限界です。勘弁してください。
ってなことで、ようやく目処が立ちました。
長かったなぁ…


その7 下地処理

どうにかこうにか下ごしらえも目処が立ちました。
とはいえ、ちっこい部分や手のかけられない部分はそれなりに残っちゃいましたが。
まあ、それはもうどうこうしようという気力も萎えてきてしまい、とうとう妥協する事に。
とはいえ、これから下地処理。どっちにしても不具合箇所が見つかれば処理する事になりますれば、今のところは これでいいとも思っちゃうのですが…
これでいいのだ!
ということでサフ吹きを、と。
前回のあゆはビックスケール故、及び初めてという事で缶スプレータイプのプライマーとサフを使いました。
が、今回は少しレベルを上げて、
手前側にあるコレ



をエアブラシで吹く事に。
まあ、基本的に変らないんですけどね。粒子がコントロールできるのでこちらのほうがベストなんですが、 それはブラシを使いこなせてからのお話。
わたしゃまだまだレベル低いので、スプレーよりは粒子が細かく吹けるというだけの理由でこちらをチョイス。
実際、スプレータイプとは全然ノリというか、表面の「てゅるてゅる」具合が違います。
下手な私でコレですから、匠な方たちはもっと綺麗に仕上がるんだろうなぁ…

で、今回は若干の手抜きを…
ボンテージ衣装部分は、白サフ無しで行く、という事で。
ダーク系の色使いなので問題なかろうとの目論見です。
そして、ささっとサフ吹きを終わらせます。



幸いにも、大きな修正箇所もなく、妥協も「まあ、しょうがないか」レベルで済み、意外に早く完了。
手間取ったのはエアブラシの洗浄くらいでしょうか。
次はいよいよ、塗装に。

その8 塗装

さあ、色塗るぞ!と意気込んだ矢先、大事な事を忘れてました。
「南京錠」の処理です。
これも大事なアイテムです。落とすわけにはいきません。
真鍮線をUの字に曲げて「掛け」を造ります。錠本体にはバイスでその孔を開けて、と。
で、コレを輪っかでボンテージにしつらえるのですが、なんとその孔も開け忘れていました。
ちゃちゃっと穿って、とりあえず間に合いました、と。

では、ホントに塗装へと。

今回は前回の反省を踏まえ、全般的にグラデーションの下処理から入ります。
基本的に衣装以外の部分に施す事になりますが、これも難しいモノがあります。
とりあえず衣装と素肌との境目、バストの谷間、とかに微妙にブラッシング。



…微妙にブラシがけしたせいか、微妙に失敗しています。
髪の毛は前回の1トーンでの重ね吹きではメリハリがつきにくいと言う事で、若干色合いを変えてシャドー部分を塗る事に してみました。クリアーイエローにクリアーオレンジをほんの少し加えただけですが、果たして効果は如何に?
その合間には早くも「眼入れ」作業を。

秘密兵器の「マスキングゾル改」を使って、顔面をベタっと。
その周囲をマスキングテープでカバっと。


なんか、ケロロなんとかってやつみたいになってます。

で、塗り方は前回と同じ。ちん…いや、進歩がありません。
やはり眼は難しいもんですなあ。思うように行きません。
これはもう数をこなして修練するしかありませんな。



じつは今回の1番の悩みどころが「ボンテージ」だったりします。
エナメルの黒単騎で行くのが常套のようなのですが、それでは面白くない。
それはそれでそこはかとない「エロティシズム」があるのですが、できればもっとあからさまに「エロい」感じに してもいいですか?
ってなことで、どのようにするべきか悩みます。
基本路線としてはスーパーディープパープルをベースにブラックのシャドー、ついでにパールコートまでやっちまおう というふうにしてみることに。

ま、それを元にイメージしてみますが、やはりエナメルにシャドウは必要なしってことで。で、ブーツやらビスチェやらの紐 は「赤」にしてみよう、と。さてさて、どうなる事やら…
そんなこんなをしている間に、パツ金部分の塗装も完了。
グラデーション効果は…… 大してありません(泣)
試験的にホワイトパールコーティングを施していますが、これもあまり目立ちませんな。
グリーンパールの方がメリハリはついたかもしれませんが、時既に遅し、です。
まあ、これで良しとしましょう。

同時進行でブーツの紐を塗り進めます。
ここはやはり筆塗り。というか筆塗りしかできません。
塗るのはいいんですが、とにかく細かい! かなり神経を衰弱させます。



一通り細やかな作業を終えたところで、お肌の仕上げを
今回も肌の色で悩みましたが、そのお陰で2回目にしてレシピが固まりつつあります。
とはいえ、今回は今回でシャドウグラデとの絡みもありますので、結局は試験段階を出られず、です。
シャシャッとお肌を塗り終えたところでシャドウの具合をちぇげら。
まま、いい感じではないですか?

さて、今度はボンテージの彩色に。
結局のところ、深みの有る、それでいてエロスを感じさせるほどの素晴らしい紫は造れず。
なくなく黒一色にする事に。
まあ、せっかく試験的に造った紫、使わないのもアレだなあと思い、ブーツの一部に使ってみることにしました。 なんとなくアンバランスになってしまいましたが、この際目をつぶりましょう。
黒のエナメル塗料を、結果的に全部筆塗りで行いました。
いりくんでいることこの上ない衣装です。マスキングだけで一週間かかりそうなので、その手間と集中力を筆先に 込めたほうが得策と踏みました。
というか、今の技量ではその選択肢しかないんですけどね。それでも怪しいのですが。
塗っては乾燥を繰り返し、合間にはお顔の仕上げもついでとばかりに行います。
折しも大型連休前半に突入、天気も良く乾きも早く、一気にペースアップです。
しこしことナニをナニしてる間に、リボンを残して塗装は終わり。
リボンは前回よりもグラデーションにメリハリをつけるべく最後に慎重に行わなくてはなりません。
というか、力を注ぐベクトルがずれていると思うのは気のせいですか?



そんなこんなで、塗装はコンプリートです。
必死に塗っている時は気付かないものですが、いざ出来上がりを見てみるとやはり満足には程遠いです。
まあ、苦労した分だけそれも強調されるのでしょうかねぇ。


その9 組立

さて、最後の追い込みである組み立てです。
今回は(一部を除いて)パーツの合いが良いようです。
ひけたりしている部分も無く、カチっと嵌るような感じがGOODです。
チェアーはすでにどうでもいい扱いになってしまっているのでささっと瞬間接着剤で「ぺっ」と組んじゃいます。これが 意外に素直に組みあがりました。
組んでいく上でのバランスを考慮しつつ(というかホントは全く考えていませんが)ボディを 真っ先に組みます。
ボンテージ部のエナメル塗料が薄かったのか、所々、特にエッヂ部に塗膜が薄い所を発見。
タッチアップしつつ進めます。
で、次におみ足。
実は塗装忘れの箇所がありました。が、時既に遅し、そのまま敢行です。



おみ足までくっ付けたところで、ついでにお顔の方も。
つっても、前髪とサイドだけなのですが。


ん、なんかこのアングルだと「ダッ○・○イフ」みたいだ…

時間を開けて翌日、続きを、と。
翌日まで持ち越したのは、いかな瞬間接着剤といえど負荷のかかる方向によっては非常にヨロシクナイ 状態になってしまう可能性があるからです。
ここまできてやり直しも勘弁してほしいので慎重に慎重に…

その甲斐あってか、残りは非常に早く完了です。
懸念していた例のツインテールも無事付きました。もっとも、ここだけ接着はしていないのですけどね。まあ、なんとなく なんですけど。

チェーンもしっかりと巻いて、さあ完了です。

ということで、アトリエEGRESフィギュア2体目
「ボークス 大空寺あゆ 1/6 ボンテージVer.」
ロールアウトです!




う〜ん、またしても課題が残る作品でした。



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