挑戦版 腕と度胸のチャレンジ「近藤版 ヨーコ」
さて、と考える。
やはり今年の夏は、というか今年の夏も早くやってきて長いこと居座り、あまつさえこれでもかという位に地球を
熱していきました。
まあ、地球温暖化が叫ばれている昨今、そのせいで夏が暑い、などと嘯くあほうな輩もいたりはしますが、夏は暑くて当たり前では
あります。がしかし、それが身体に影響を及ぼしてくるとなると(たとえそれが身から出た錆であろうと)何かの
せいにしたくなる気持ちはよっく解ります。
いや、解るだけで他に責任転嫁はしませんけどね、ぜったいに。政治家じゃないですから。
などと考えるのも、それもこれも一向に進まぬガレキ作製に端を発しているわけで。
2発目のあゆ完成直後に悪化した皮膚の炎症は未だ好転せず、他にもいろいろと問題があったりして「できなかった」
ことが非常に悔やまれますです。はい。
と、そんな状況下でもワンフェスには足を運んだりして、作製待ちのガレキが山となってしまってます。
これがホントの「ガレキの山」…
………心はすっかり冬支度…
とまあ、そんなこんなでちょっとでも回復した指と相談しながらの3発目の作製に着手です。
で、今回は冬に購入して作製待ちの状態だった「近藤版ヨーコ」と相成りました。
スケール的には1発目のりざあ堂版あゆと同じですので、取っ掛かりは非常にスムーズです。
ただ、細かいパーツがちらほらと有りますれば、そこだけが気がかりかな、と。
ま、兎にも角にも「やっちめ〜っ!」てな感じで開始です。
その1 パーツチェック
特に欠品やら大きな損傷とやらは無いようで一安心。
しかし、ボリュームありますねえ。
モノは間違いも無く、揃ってはいますがやはりガレキらしい状態です。
パーティングラインの段差が大きいですな。これはまたぞろ苦労しそうだ。
とはいえ、気泡が殆ど見受けられないのは素晴らしいことです。おっきな気泡が2、3ありますが、これは
ゲート片でどうにかなんとか埋められるので善しとしましょう。
表面の状態が非常に良好であると感じ、
この時点で塗装の方向性がほぼ固まりました。
その2 クリーンナップ
ガレキ3発目にして早くも手馴れたモンです。
ささっとリムーバーを落として表面処理へ。
今回、指のこともあってあまりにも細かいものはちょっと特殊な工程へ。
有機溶剤を使ってのリムーバー落としです。ってもエナメルリムーバーなんですけどね。
アセトンが主成分ですから結構重宝しますが、長い時間漬けてるとレジンそのものが溶けるし、何より
モノがモノだけに店でコレを買うのも
ちょっと抵抗がありますのでそこが難点かと。
その3 下ごしらえ
指やビキニの繋ぎ目などの細かなもの意外は、モノの大きさゆえにやり易い。
段差も大きいのは確かですが、ペーパー掛け面積(?)が大きいので苦になりません。とはいえ、それ自体が
苦労なんですけどね。
例の気泡も埋めて綺麗に処理。
今回特に念入りに行ったのは「おしり」です。ヨーコのチャームポイントですから!(壊)
ペーパーがけも終わり、再度洗浄して乾燥です。
その4 プリフィット
特に大きな問題もなく、仮組みもさくっとOKです。
いやしかし、無塗装なのに圧倒的なボリューム感です。これは気合を入れて塗装しなければ。
この造型を生かすも殺すも塗装次第、です。
その5 下地処理
元の表面状態が非常によく、スケールも大きく、肌の露出が絶妙なキット、とくれば、ここはもうアレで行くしか
ないと言うものです。そう、「サフレス塗装」です。
ただ、もちろんサフレスなどやった事無い私です。理屈は知っていても、いざ実行となるとどうしても慎重に
なってしまいますなあ。
さて、サフレスの利点をここでもう一度考えてみる。
利点は「発色が良い」の一点。どこがどう良いのか説明するのも面倒なのですが、要するに素材に
そのまま色を乗せるわけですから、微妙な「透明感」というか「サッパリ感」が出ますです。
まあ、その辺は好みの問題でもありますが、実際、かかる手間は普通にサフ乗せるのとそんなに変らないと言って
よいのではないかと。むしろグラデーションやら配色やら頭と神経を使う分手間がかかる、のではないかと。
ま、それも「慣れ」の問題ですかねぇ。であれば、やはり挑戦しないわけにも行きますまい。
慣れるには数をこなさなければ。
てな訳で、サフレスで行く事に。
まずはサフレスの為の下処理です。
普通、サフレスではプライマーに「メタルプライマー」を使うのが一般的だそうですが、私は「ウレタンプライマー」を
使います。理由は特に無いんですけどね。
ただ、今回が初めてであり、かつ失敗こいた時のリペイントの事も考え、ラッカー系よりはウレタン樹脂コートかな、
と。
まあ、シンナーで落としちゃえば一緒なんですけどね。
という事で各パーツに、エアブラシでプライマーを吹き付けて行きます。
当然透明なのでノリ具合がイマイチ判別つきにくいです。
とはいえ、やらないと塗料が食い付かないので慎重に、まんべんなく吹きつけます。
全てのパーツをプライマー処理して、下地処理の完了です。
その6 塗装
さて、と再び考える。
地の色を活かしつつ、見栄えが良くなるようにするにはどうすべきか。
考えた末に幾つかの方法に絞り込みテストしてみた。
まず、クリアーオレンジを使って。
結果はちょいとアレかな、と。悪くはないですが…
次にキャラクターフレッシュ1・2とクリアーレッドの混合。
んん〜、これは無いね。失敗。
お次にクリアーイエロー、オレンジ、キャラクターフレッシュの混合。
ああ、これもちょっとダメですな。
どうにもこうにもうまく行きません。結局、クリアー塗料を使用しない方が良好な発色が得られるのかな、
という事で、赤、黄色、キャラクターフレッシュ、クリアーの絶妙ブレンド塗料を調合してみる。
コレがビンゴとなり、これで行く事に。
んん〜、奥が深いな、サフレス。
早速、要の肌部分から塗装開始です。
ちょっと見ただけじゃ判らない位に薄く、うす〜く乗せていきます。
吹いては乾かし、グラデーションを考えつつまた吹いては乾かしの繰り返し。
やはりかなり神経を使います。
慣れればコレはコレでかなり楽しそうですが、今の私はそれどころではありません。
吹いて乾かし、吹いて乾かし…
何とか肌の部分が完了です。
で、あとは各パーツなのですが、かなり苦戦する事に。
ビキニとブーツのファイアーパターンが、これまた厄介です。
マスキングだけに一週間費やす事に。
細かい上に全てがRになっている。これにはかなり神経をすり減らしました。
その他の部分は色調に気をつけながら、特にニーハイはヨーコのムチムチポイントの要ですので慎重に。
全ての部分で単色の塗装が無いというのも、私には初めての事です。
うう〜ん、やっぱり奥が深いです、サフレス。
ボディの最終段階である黒い部分の塗装にかかります。
おケツ、左腕、グローブ、ビキニと吹きつけ乾燥。
さあ、できた、とマスキングを剥いでみると…
なんということか! お肌に移っている部分が!
かなり目立つ場所、鎖骨とお胸の間にうっすらと…
どうやら目張りにほんの少し隙間ができていたようです。しっかりやったつもりでしたが、こんなミスをしてしまうなんて…
という事で、ボディ部分はリペイントする事に。
局部修正ではその部分だけ色合いが変ってしまいます。という事でお肌部分は全部引っぺがしてもう一度塗り直しです。
うわ、奥が深すぎです、サフレス…
そんなこんなで塗装を始めて約一ヶ月、最終段階です。
これが全てのデキを左右する、目入れです。
今回のヨーコ、やや上目遣いの難しい視線です。
参考のためにグレンラガンのDVDを観たりします。
うう〜ん、あまり参考になりませんでした。思わず見入っっちゃって目的を忘れてました。
面白いです、グレンラガン。ニアもいいですねぇ。
などとアホなことをやりつつ、書いてはやり直しをする事数回、なんとか妥協レベルに到達です。
まあ、やはりここが1つの試練ポイントですねぇ。
目に魂を宿す為に精進せねば。
出来栄えだけを考えれば「デカール」という手もあるんですが、それでは「造る」意味がありません。
モデラーとしてここはスキルアップに進むべきですな。
そんなこんなで、塗装は一応コンプリートです。
やはりまだ会心の出来には程遠いですが、何とか見れるレベルですか。
サフレス云々よりも、なにか基本的な部分で何か足りない気もしますが、これもまた試練です。
その7 組立
塗装が完了した事で、もう一気に組み立ててしまいましょう。
モノも大きくパーツの合いも良いようで、組み立ては非常にスムーズです。
荷重のかかり方もバランスよいみたいですので、組み立ては数時間で完了です。
さてと、完了です。
ということで、アトリエEGRESフィギュア3体目
「G−DOME ヨーコ<2008> 1/5」
ロールアウトです!
サフレスも成功には至りませんでしたが、なんとかコツが掴めただけでも儲けもんです。
まだまだ技量的に足りない事を実感したキットでした。