FANTASTIC IN THE NIGHT

〜ONE NIGHT AT DIAMONDHALL〜




MichaelSchenkerGroup 2006ジャパンツアー レポート!








PROLOGUE

 さてさて、ここに至るまでに様々な事が起こりました。
新生(一体何度目だ?)マイケル・シェンカー・グループのジャパン・ツアーが決定したのが、たしか5月頃。 折りしもニューアルバムリリースでにわかにマイケル・シェンカーの動向が注目されていた 時期でしたね。
 その数ヶ月前のヨーロッパでのツアーで、メンバー間のごたごたによりクリス・ローガンがクビになったときは 「やれやれ、またか」と思いましたが、来日が決まったというニュースを耳にしたときにはそれが不安の最大の要因に なっていました。

 新しいボーカリストのヤリ・ティウラを迎え、アルバム発売に伴うヨーロッパツアーを順調にこなしているという 情報を耳にし、You Tubeでもその映像が確認できてなんとか安心もしてました。
そして、8月末、来日まであと約2ヶ月に控えたある日、その不安は半ば「的中」してしまったのです。
そのニュースを見たときには、既に他人事ではなかったのです。

「マイケル・シェンカー・グループ、メンバーを解雇」

我が目を疑うニュース、そしてこれがブラフでも噂でも何でもなく、充分にありえる「事実」だからなおタチが悪かった。 唯一のニュースソースである、マイケルシェンカー本人のウェブサイトも事実上休止、しかもそのトップページには、 おなじみのロゴが暗闇に塗れ、なおかつ逆さまになっている。その上ロゴのGIFファイル名には「msg is done」(MSGは 終ったぜ)の文字。決定的と誰もが思った事でしょう。

 すでに8月の段階で、大規模なアメリカ・ツアーも全てキャンセルになっていたのですから。
もっとも、それはまた別の問題もはらんでいた為に、まだジャパン・ツアーには一縷の望みが残っていると言えました。なぜなら、 過去にはあの悪名高いレイ・ケネディをヴォーカルに据えての「スーパーロック IN ’84」のような事もありましたし、 マイケル・シェンカー本人の モチベーションさえ維持されていれば、可能性はゼロではないのです。

 そして、来日まであと約1ヶ月となったある日、その可能性は飛躍的に高くなりました。マイケル本人からのウェブ サイト上での来日宣言。他のメンバーのウェブでも、日本公演の情報がアップされ始めました。
 どうやらマネジメント関係でギクシャクしていたメンバー間のごたごたも解消されたようです。
しかし、これで安心できないのがマイケル・シェンカーの怖いところ。
6年前の突然のキャンセルのような事態も、同じくらいというかそれ以上に可能性がある。マイケル・シェンカー・ファン は来日の度に期待と不安がない交ぜになって、混乱してしまうのです。

 11月に入り、来日、そして2日目の「名古屋ダイアモンドホール」でのライブまであと2週間となった時、マイケル の来日はほぼ確実となって安心しかけた頃です。
 今度はなにやら私のほうが様子がおかしい。喉の痛み、咳、眩暈が酷い。熱を計ると39.4°!!。ここにきて体調不良 になってしまった。しかも日に日に体調は回復するばかりかさらに悪化している。仕事も休む事もできない状況で、ずるずると 回復しないままに日が過ぎていく。
 痩せすぎている割にはなかなか頑丈な体をもってしても、ぶっ倒れるのは時間の問題か?と不安にもなってきます。
結局11月12日にはなんとか熱も下がり、体を動かしても苦痛に襲われる事もなくなった。間に無理を言って1日だけ早退した のが良かったのか、ともあれ風邪の症状は改善されてきました。よかったよかった。

 そして、当日。
相変わらす鼻水たらしながらも仕事を早めに切り上げ、 後ろ髪を引かれ 後ろ指を指されつつも 会社を半休で後にします。
 そしていよいよ、会場へ。
思えば、人様のコンサートを見るのはこれで生涯3度目。
ブレイクする前の米米クラブ、ちょっと太ったイアン・ギラン、そのどれよりも、「ライブを観る」ことを楽しみと 思えた事はなかった。
 私自身、バンド活動を止めてもう10年近く経っている。あの臨場感への期待、そしてそれをも上回る「神」を間近に 観る事ができるという期待で、胸が高鳴ってきていました。



閑話休題


 有名人のコンサートチケット、実は自分で購入するのは今回がはじめての経験でした。
つまり、チケットの買い方知らないんですよ。恥ずかしながら。自分達のライブチケットを売ったことはあるのにね。
米米、イアン・ギランのいずれも他人から誘われて行ったので自分では買ってなかったのです。もちろん代金は払いました けどね。
 困った末に元嫁はんに聞いてみる。しかし、元嫁はんも知らないとの事。しまいにゃ2人分買って私も連れてけ!だと。
子供はどうすんだ。
 元嫁はんも何気にマイケル好きだったりします。というか、そうさせたのは他ならぬ私ですけど。ちなみにこの元嫁はん だけが、私の周りでは現在唯一マイケル・シェンカーの話題を共有できる人物だったりします。
 会社でマイケル・シェンカーって誰も知らないし、マイケルっていうと「ジャクソン?」とか言われるし。でもあの 白黒のモノトーンカラーのフライングVはみんな知っている。不思議です。
 結局会社の同僚に買い方を聞いてチケットをゲット。簡単っちゃ簡単だあね。しかしコンビニで買えるとは、ね。時代は 変わったね。ていうか、私が世の中知らなさすぎるのか? ま、別に興味が無い事は知ってもしょうがないしね。
 ともあれ無事にチケットを手にする事ができました。いや、初めて手にする他人のライブチケット、自分達のバンドの チケットよりも輝いて見えます。





DISCRIPTIONS


 さて、入場に先立ちまずはチケット整理番号順にあちこちに並びます。というか並ばされます。
私の番号は後ろの後〜ろの624番。キャパ、というかチケット1,000枚発行なんで真ん中よりやや後ろですかね。
並んでいると、意外や意外、人の集まり悪ィし。1,000人なんて居ないのかな?じゃあチケット完売って何だったんだ?てなこと を考えていました。
 しかし年齢層が広いデスねぇ。50代後半から、どう見ても小学生まで、いろんな方が観にきていますね。メタルキッズなんかも います。まあ、マイケル・シェンカーといえばハードロック/ヘビーメタルの古典ですからね、今の10代、20代前半 の人からすればね。それでもやっぱり魅力があるので しょうね、こうして観にくるわけですから。

 18時を少しまわったところで入場です。慣れない場所でのホール、いまいち勝手がわかりませんが流れに乗って 会場へ。
 おお、なかなかにこぢんまりしているともでかすぎるともいえない丁度いい感じの広さですな。沖縄の「クラブDセット」を 縦長にしたような感じの会場です。人もけっこう入っているけど、まだまだ入る感じです。
会場にはアコースティックギターの曲が流れています。これ、「サンキュー」シリーズか?そういやあ「サンキュー」は 「1」しか聴いた事ないな。
 ビール片手に何気に付いたポジションは、ステージ向かって左側。マイケル・シェンカーのポジション、というか、マーシャルアンプの 真正面です。ステージまでは意外に近い。スタンディングでおおよそ8列目、距離にして4mほどですか。
なかなかGOODなポジションです。小一時間待って、いよいよ「間もなく開始」のアナウンスが入ります。 すでに熱気が会場を支配していました。
薄暗いステージ上では、ローディーでしょうか、楽器の調整をはじめました。
ギター・テクがマイケル・シェンカーのDEAN“FV”の調整をはじめます。会場からは割れんばかりの拍手です。
ギター・テク、照れてますな。そして拍手は笑いにかわりました、とさ。





 照明が落とされ、拍手の音がだんだんリズムを刻んで行きます。すでに開始時間を過ぎました。5分ほど拍手を続けています。 私も一緒になって叩きます。いや、もう、手が痛いし。
 そして、ついにメンバーがステージ上に現れます。大歓声とともに照明が照らされ、ブレイクです!。マイケル・シェンカーの DEANフライングVの音、レブ・ジョーンズのベースの音、ドラムの連打が一斉にブレイクします。そして、ヤリ・ティウラの MCでオープニングです。
「コンバンワ、ネゴイヤ!」
すかさずカウントが入り、ついにスタートしました!

@「ASSAULT ATTACK」

オープニング・ナンバーを飾ったのは、この曲でした。
イントロからヘヴィーなリフに入ると、もう会場は大盛り上がりとなりました。リフにあわせてオールスタンディングの 観客は飛び跳ね、コブシを突き上げています。私も歓声をあげながら、コブシを突き上げました。程よくビールも入っていた ので早くもプッチン状態です。
 目の前には生のマイケル・シェンカーがDEAN“FV”を鳴らしています。マーシャルから直に聞こえるシェンカー・サウンド、 そして体全体でリズムを取りながらリフを刻む「神」。
 本当に目と鼻の先で、ヘタをすりゃ一生お目にかかる事さえできないと思われた「生」の「神」が、ギターを弾いている。もう それだけで胸がいっぱいになり、瞼も熱くなってきます。それを後押しする会場の熱気と興奮、感極まるのも無理からぬ事です。
 同じ思いをしている人が結構いるみたいです。中には本当に涙を流して叫んでいた方もいましたね。って、そんな余裕かましてる 場合じゃない、瞼に焼き付けなければ。「生マイケル」を!
 ボーカルのヤリの声も、アルバムよりは良い感じです。もちろんアルバムの方もいいのですが、ライブでもパワフルなのが良い 感じです。ハイのキーもそつなくこなせるし。
 そしてギターソロです。まじで、マジであのクライベイビーをつかったワウサウンド、イコールシェンカーサウンドを直に聴く 事となりました。素晴らしいの一言です。
 無事オープニングナンバーが終わり、ヤリのMCが入ります。
「ゲンキデスッ…カ!」
んん〜、微妙に外人っぽくていいぞ。
そして
「アー、ユー。レディ?」の声。会場はまたもや大歓声です。
再びひときわ大きく「アーユーレディ?」
またも大歓声、掛け合いが物凄く興奮を誘います。
「レディ! トゥ! ロック!!」の掛け声とともに、次のナンバー。

A「ARE YOU READY TO ROCK」

のスタートです。
軽快なリフとともに曲は進み、サビにくるともう大合唱です。会場全体が
「アーユーレディトゥロック!」
コブシを突き上げて叫びます。そしてギターソロに。
しかーし、やってくれます、マイケル。最近よく見られる事らしいですが、ここでもやります。 音を若干ハズしちゃってますな。でも、それもソロの流れの一部みたいに聴こえてしまうのも凄い。 やはり神は一味違います。
エンディングのブレイク後にすかさず入りました。何気に1番聴きたかった曲です。

B「LET IT ROLL」

最近のライブでは独特のフィードバックから入る事はなくなりましたが、特徴あるリズムは健在。
ヤリのボーカルもピッタリ合ってますな、これが聴きたかったのですよ!
観衆のテンションは上がったまま、「レット・イット・ロール」コールで突き進みます。
そしてギターソロ。
「急」から「緩」へ、「動」から「静」へ。音楽的に構成の妙を魅せるこの曲の最大の山場です。
相変わらずメロディアスなソロで、会場の皆も聴き入っています。傍から見ればあのテンションの高さの ままでメロゥなソロというのも妙な感じですが、これこそがマイケルの曲の持ち味です。
まあ、シーケンサーで作るのは大変ですけどね、この変則リズムって。
最後のソロに入り、決めのフレーズでブレイクします。
もう、感動を通り越してますね、この時点で。



一息ついた所で、次のナンバーです。
マイケル、既に暑いのか(そりゃ暑いわな)タンクトップ姿になってます。ヤリも汗だくですね。
しかし、物凄いゴキゲンですね、マイケル。笑顔を絶やしませんし、オーディエンスへの対応も凄く嬉しそうに やってます。熱気が伝わっていい感じになったのか?昨日の大阪もゴキゲンだったようで、日本でのライブ久しぶり だからやっぱり嬉しいのかな?
あ、嬉しいのは私達ファンのほうだったか。
ニューアルバムからのナンバー

C「DUST TO DUST」

のスタートです。ここから3曲はニューアルバムからのナンバーでした。正直私もあまり聴き込んでなかったせいか、 思い出しながら聴いてました。他にもそうらしい方が多く、テンションは一段落といった所ですね。このあたりは 年代ではっきりと分かれる所のようです。私と同じくらいから上の年代の人はじっくり、というか私と同じ理由で コブシを突き上げるのが精一杯、変わって若い人はテンションが下がっていませんね。

D「LOVE TRADE」
E「SHADOW LADY」

と続きます。このあたりでようやくマイケル以外にも目を向けます。
ルックスの奇抜さもさることながら、ベーステクニックも注目に値するレブ・ジョーンズ。頭の「髪コプター」を ぶんぶん振り回しています。傍からみたら、まんまパンクだよなぁなんて思いながらも、そのテクニックはなかなか 面白い物があります。
そして、やっぱり生のドラムは心地よいです。アンプで増幅されたバスドラの音がなんというか、非常に気持ちいい! ピート・ホームズ、いいドラム叩いてます。
そして、サイドギターとキーボードを担当するウェイン・フェンドレイもいいですね。ツボを押さえたバッキングは かつてのポール・レイモンドに負けてません。でも、レット・イット・ロールのソロのバッキング、あの音色は変えても いいのでは?とも思う。うわ、ファンの方ごめんなさい。
ともあれ、このメンバー、なかなかにベストですよね。なまじUFO時代やMSG初期のメンバー構成に妙に思い入れが 大きい分、半端なメンバーじゃ納得できないのが本当の所ですが、このメンバーなら充分、いや、最高です。
ずっとこのメンバーで続いて、再び来日してほしいな。



さて、一通り新曲のほうも終わりです。
そして、始まりました。ここにいる全ての人が待ち望んでいるであろう曲がコールされました!

F「LIGHTS OUT」

です。
あの強靭なリフが刻まれ始めました。うげ、感激です。最高です。マジしびれます。
1番が終わって、歌詞の2番目に入った時、ハプニングです!

……ヤリ、やっちゃいました。歌詞を度忘れして「しまった!」って顔してます。
すかさずマイケルがヤリに寄り添い、なにやら話をしています。何話してるんでしょ?歌詞を教えてる?
ワンコーラスずっとリフの演奏で続くという、ちょっと面白い展開です。小節の区切りでようやくヤリの ボーカルが入りますが、やっぱり間違えた。
しかし、マイケル、ゴキゲンな様子でそつなく中間のソロに突入です。このところのあまり激しくない 落ち着いた感じのライツアウトのソロですが、所々で??を出すものの、シェンカー節を聴かせてくれます。
そしてクライマックスへ。サビの部分ではやっぱり会場全体が「ライツ・アウト!ライツ・アウト・ロンドン!」の 大合唱。会場も割れんばかりです。
惜しむらくは「ライツ・アウト・ナゴヤ」が聴けなかった事。別に名古屋人ではないんですが、ご当地コールは あれば嬉しいですよね。
ともあれなんとかエンディングソロまで終了です。ヤリ、ヒヤヒヤもんです。あまり驚かせないでくれ。
マイケルのご機嫌損ねて、途中で「やめた!」なんてなったらそれこそショックだぜ。
聞けば、昨日の大阪でもソロの後の歌詞忘れたそうで……もしかして、演出?

続いて、来ましたよ、これもみんなお待ちかねだった曲でしょう。ナンバーがコールされます。

G「IN TO THE ARENA」

キター!って感じです。もう、MSGには無くてはならないナンバーです。
「ダラドン!ジャジャジャ〜」というアクタクトから3連符のリズムで始まる最近のこのイントロがまた良いのですよ!
お決まりの2回目のブレイクまで、じっとマイケルの指運を追っかけます。なるほど、よく見える!参考になったよ!
そして、これもお決まりです。ベースソロとドラムソロ。
んああー!レブ意外とカッコいいぞ!ピートもカッコいい!ツーバス叩きながら両手でタオルもって汗を拭うところなんか、 演出のツボを押さえてますな。レブはフレットレスのスタンドベースなんかも弾いてます。ぬぬ、やっぱカッコいいぞ。
あのルックスに惑わされがちだけど、ベーシストとしては一流なんじゃないか?でも、場所のせいもあるのか、音が小さすぎて せっかくのベースソロも聴き取れん!残念!
そして曲に戻る……前に、マイケルのソロが入りました。この流れは今まで無かったね。新鮮でよいです。
プリエンディングから最終楽章へ突入、やはりこのエンディングが1番の聴き所です。
いやあ、カッコいいし気持ちいい。やっぱり最高ですね、この曲。

ちょっと間をおいて、ウェインのキーボードが聴こえてきます。
あれ、このイントロどっかで…なんて思っていたら、やっぱりこれですか。

H「BUT I WANT MORE」

です。
うわー、この曲聴けるなんて、すげえ幸せだ!聴けるなんて思ってなかったし!
なんて、実は今回のセットリストに入ってるらしいという事は聞いてたんで、期待してたってのがホントのところ。
イントロのコーラスとマイケルのアルペジオとの絡みが、とっても叙情的で、幻想的ですね。
ミドルテンポのロックバラッドに聴き入ります。メインソロの所はCDとはやや違ってますが、それでも雰囲気は充分 です。後半のキメのフレーズは聴かせてくれますなあ、この曲、何気に好きなんすよ。

すかさず次の曲に突入です。聴きなれたコード・カッティングのリフが印象的なロックン・ロールナンバー

I「TOO HOT TO HANDLE」

です。この曲も待ち望んでいたナンバーです。あのリフもさることながら、ヤリのボーカルもフィルと同じくらい 味がでてます。
やはりサビの部分では、全員で大合唱!
「トゥ〜ウゥ!トゥハット!トゥハットゥハンドー!」
いまだにテンションはオープニングのまんまです。マイケルもずっと笑顔でVをかき鳴らしてます。
エンディングのソロに入って、シメのフレーズ、いやあ、いい曲です!

ギターのアルペジオで次の曲が始まりました。
これも永らくライブで演奏される事はなかった曲ですね。

J「ON AND ON」

です。若い観客にはあまりなじみがない曲かもしれませんが、私と同年代とそれ以上の人にはたまらないナンバーです。
レブ、ウェインともにしっかりとバッキングキメてますなあ、この曲、メロディーのハーモニーがとってもいい曲なんです よね。やはりプロですねぇ、聴かせてくれます。
エンディングのメロディアスなソロに入りました。インプロヴィゼーショナルなソロですがキメのフレーズはきっちりと 弾いていますね。この曲も感動です。

続いて、これも聞き覚えのあるコードのリフが聴こえてきます。UFO時代からのポップ調のロックンロールナンバー

K「ONLY YOU CAN ROCK ME」

です。うわお、この曲も聴きたかった!
これもやはり大合唱です。全員が声を揃えて歌います。
「オンリーユーキャン ロックミーロックミィー!」
かぁ〜、もう最高です。心地よいギターソロの後にまたもサビでは大合唱。この曲聴けるなんてもう 夢のようです。
曲も終わり、次の曲をヤリがコールします。

L「ARMED AND READY」

です。MSGのファーストアルバムのファーストナンバーを飾るこの曲、26年に及ぶMSGの歴史の1番初めの ナンバーです。今ではスタンダートを通り越して古典ともいえるあの開放弦を使ったマイケルらしいリフで始まりました。
この曲のソロもいまやもうハードロック/ヘヴィーメタルではスタンダートと言えますね。それにしてもスピーディーで カッコいいソロです。
さて、いよいよ大詰めです。ラストナンバーはやはり、MSGとしての初期の代表曲ですな。

M「ATTACK OF THE MAD AXEMAN」

です。リフのところでは最近のマイケルの、前かがみになって体を左右にゆすり、頭を左右にふるあのスタイルで Vを弾いています。その後ろで、レブがマネをしてベース弾いてます。けっこうお茶目ですな、レブ。
ウェインはそれを見て笑ってます。
中間のブレイクから静かなソロに入るところ、例のボトルネックのスライドバーを使う所に入ります。
をを、ちゃんとスライドバーを使っているではないか!(当たり前か)。
そのフレーズが終わると、指からスライドバーを外してギターテクにタイミングよく渡してます。なるほど、そうやって やってたのね。納得。
エンディングのソロも聴き所です。をを、けっこう長めにソロを引っ張ってますな。
もう、ここまでオープニングのまんまのテンションです。みなさん体力ありますねえ、私は病み上がりというのも 手伝って、咽が痛いいたい。全曲、サビでは合唱に混じってましたからねぇ。腕も突き上げっぱなしでだるくなって きています。ああ、もう歳なんだなあと、つくづく感じました。



さて、ひとまず終了です。
全員がステージで挨拶して袖に引っ込みます。そして始まるアンコールの手拍子。
程なくして出てきました、アンコールです。ヤリのコールで始まりました。

Encores@「ARACHNOPHOBIAC」

です。この曲はあまり馴染みがありません。会場の人たちも同じらしく、歓声やコブシあげはするものの、どこかノリきれて ません。例の「ジェフ・ワトソン君代役アルバム」の曲ですからね、聴いてない人も多いのでしょうか?かく言う私もアルバムは 持ってませんけどね。ライブDVDで聴いただけですし。
そういう訳じゃないのでしょうが、この曲のソロはウェインが担当してました。ウェインなかなかいい味出してますね。 マイケルはバッキングをずっと弾いてます。
しかしマイケルはこの曲お気に入りみたいですね、今年のツアー(というかここ数年の)では必ずこの曲セットリストに入れてる みたいだしね。でも、日本人好みではない曲といわざるをえないでしょうか。エンディングのソロでは自分が弾いてましたね。

アラクが終わって静かになったところで、ウェインのキーボードが聞き覚えのあるフレーズを奏で始めました。
おなじみの哀愁漂うピアノトーンが流れた所で会場はここまでで最高の盛り上がりを見せました。全員発狂しているみたいです。 それに乗ってマイケルのギターがカブってきます。会場はさらにエキサイト!次第にリズムにあわせて手拍子の嵐です。
お、良く見ればさっきまでのギターとは違うぞ!
同じDEAN“FV”でも、色が白黒ツートンじゃないぞ、ブラウンだ。
をを! あれが噂に聞く定価およそ100万円の「シェンカー兄弟仁義V」か!
ををを、さっきまでのツートンVと音色がすこし違う!ミドルレンジが太い感じだ。さすが(ほぼ)ワンオフモデルは 違うなぁ。
イントロのソロも佳境に入ります。

EncoresA「DOCTOR DOCTOR」

が始まりました。もう、この曲を聴かずしてマイケルのライブの意味が無い!とまでいえるUFO時代からの スタンダートナンバーです。
ブギー調の3連リズムって聴く方は乗りやすいから好きです。皆さんノリ過ぎっていうか、やっぱり この曲は元々リズムが乗りが良いから尚更はじけちゃいます。イントロの哀愁漂うギターとの差がまたさらに後押しするんで しょうね。
ほぼお決まりのエンディングでのシメから、すかさずピートのハイハットがリズムを刻みます。
これももう、UFO時代からのマイケルフリークにはお馴染みのイントロです。

EncoresB「ROCK BOTTOM」

ドラマティックなほどに長いなが〜いギターソロがたまらない曲です。
最後に残ったパワーを全てぶちまけるが如く、サビの大合唱が響きます。
「ロックボトム!」
そしてお待ちかねのソロに入ります。
ヴォリュームノブのフェードインも聴けた!毎回微妙に違うこの曲のソロ、今日はどんなソロを聴かせてくれるのかと、期待も 最高潮です。
ドラマティックなソロが流れ、キーボードとのユニゾンの小節に入るちょっと前、あらら、テンポずれましたね。2拍位早く入っちゃい ました。
それでも動じることなく合わせるピート、レブ、ウェインの3人。さすがプロです。
というか、さすがにマイケルと長いこと組んでます。当のマイケルも何事も無く続けてますね。
徐々に盛り上がってクライマックスです。ソロのエンディングに来た頃にはもう最高に盛り上がってきました。
そしてエンディングに突入。
最後のブレイクはもう会場は阿鼻叫喚、興奮の坩堝とはこの事か!
全ての演奏を終えたマイケル・シェンカー・グループの面々、ステージ端から端へ、オーディエンスと手を叩きあいます。
私はちょっと届かない、う〜ん残念。ま、生マイケルをほとんど目の前で見れただけでも一生の宝物です。これ以上は望みません。
でも、ちょっと残念なのは否めない。

まだ盛り上がり真っ只中の会場を、一足早く後にします。
理由は混雑する前にグッズを買って、混雑する前に地下鉄に乗るため。
こういう場での押し合いへし合いは平気というか、むしろ嬉しいといえますが、電車内、駅構内とかでの混雑はもうダメ なのですよ。はっきり言って嫌です。よって、この感動の気持ちを持ったまま家に帰りたいので、ささっとグッズ売り場へ。

ところが、グッズは人がある程度退けてから販売、との事で、ここで並んでください、だって。
グッズ販売で1番前に並んでもねぇ。しかし、恐らく欲しいTシャツは完売必至のようなのでこれでいいのだ。
たった一つのせまい出口で、帰る人の邪魔になりながらも待ちました。帰る人ゴメンネ、邪魔だったでしょう。でも ここで待てって言われたんだよぉ、と思ってみる。いや、まじで通行を阻害してましたね、申し訳ないです。

ツアー日程の記されたオフィシャルのMSGのTシャツ、同じデザインの白と黒を一枚ずつ購入して、そそくさと家路に つきました。
祭りの後の一抹の寂しさ、不思議な事に今日はそれさえ感じませんでした。なぜでしょうね。しかし、あの興奮と感動は 家につくまでずっとあのテンションのまま、お持ち帰りできました。
いやあ、最高でした。もう、思い残す事はないです。

…うそです、また生でマイケル・シェンカー・グループのライブを見たい!
本気でそう思います。





EPILOGUE
 前回の来日からおよそ6年ぶりの来日公演、ひとまず大阪、名古屋と無事消化しました。
しかし、本当に不安にさせてくれました、マイケル・シェンカー。
一時はどうなる事かと本当に心配しましたが、 すべて杞憂に終わった事を考えると、これもまたマイケル・シェンカーファンの醍醐味とも言えます。
 セットされた全ての曲が、珠玉の名曲ぞろいでした。あれも聴きたい、これも聴きたいと考え出すと、本当に 3、4時間でも足りない位時間が必要です。それだけマイケルが素晴らしいメロディ・メーカーである事と同時に そのキャリアが長い事の証でも あります。
 そんな名曲の数々の中で、今日の約一時間半の中に詰め込まれた選曲は、どれも素晴らしいものでした。
これだけキャリアの長いミュージシャンだと選曲にもいろいろと苦労するのでしょうか。でも、マイケルの場合は 自分が演りたい、と思った曲は即ち、ファンが望む曲、言い換えればどれを選曲してもファンは絶対に納得するという 稀な例と言えるのではないでしょうか。
あのアラクノフォビアックですら、ファンは心に刻みこんで満足して帰った ことと思います。少なくとも私はそうでした。
 レポートの中で再三出ましたが、聴きたい曲、最高の曲、何度も出てきますが、それは全てが同じレベルで好きな 曲だと言う事、それは私のみならず、マイケルファンにしてみれば全てが「マイケル・シェンカー・サウンド」という 構成のなかの欠くことのできない ピースの1つだ、という事の証でもあるのでしょうね。
 たしかに聴きたかった曲はありました。
でも、それを残念と思えない事も事実です。
ということで、それが新たな期待となって次回のジャパンツアーに繋がる事になります。今度はいつ来日してくれるのでしょうか。
また、このメンバーで来日してくれる事を期待して止みません。
というか、今度はサプライズに期待したいですね。ゲイリーとか、グラハムとか、ロビンとか、ゲストで出たりしてね。

ともあれ、MSG2006年ジャパンツアー、ほんとうに楽しかったです。
ヤリに「FANTASTIC!!」と言わしめた名古屋公演、最高でした。

SEE YOU AGAIN MICHAEL!






SEQUEL 〜後日談〜

さて、11月17日、レポートをまとめてHTMLへ移している最中です。
突然東京方面からの連絡です。
今日は中野サンプラザ2DAYSの2日目、無事終了の連絡か?と思いきや……



………マイケル、またやっちゃったようです。
連絡をくれた友人の落胆の声が、そのショックの大きさを物語っています。ましてや14日の私の話を聞いて、それはもう 楽しみにしていたのですから。

昨日(東京一日目ね)は名古屋同様凄く盛り上がって大成功のうちに終わったらしいです。で、2日目のこの日なのですが、 もう、のっけからマイケル、ボロボロだったそうです。まともに音を出せない、音を外しまくり、ソロもまともに弾けて なかったとか…
1曲目の「ASSAULT ATTACK」をそんな感じで終えて、2曲目の「ARE YOU READY TO ROCK」ではもうリフもまともに弾いて いなかったらしいです。で、途中退場……

しばらくしてステージに戻り、仕切りなおしの3曲目「LET IT ROLL」、変わらずまともに弾けずに、悪夢の再来です。
DEAN“FV”放り投げて退場、そのまま中止になった、と。

一体何があったのでしょうか? これで日本では3回目ですね。もっとも1回目はアンコールの時だし、そのときは 観客が一方的に悪かったのでしょうがないといえばしょうがないのですが。
後ほど詳しい情報が届くのでしょうが、この日を楽しみにしていたファンの気持ちを考えるとやるせない気持ちに なります、ホント。

やはりマイケル・シェンカー、ライブがちゃんと終わるまでは安心できません。むしろ大阪、名古屋、東京一日目が ラッキーだったと言うしかありません。

マイケル、お願いだから日本のファンを蔑ろにしないでね。


注 : 翌18日の札幌公演は無事(何事も無かったかのように)終了したようです。




お・ま・け


今回ゲットした「お宝」です。今年のもう1つの「お宝」と合わせてアップしちゃいましょう。
百里航空祭でゲットした「305TFS」Tシャツと「エアロック・キャップ」
MSGライブでゲットした「ツアー記念オフィシャルTシャツ(白のほう)」
ギブソンFLYING Vはオマケのついで、ということで。
ちなみに、私はDEAN“FV”は欲しいとは思えません。韓国製だし。











MSG 2006ジャパンツアー セットリスト

「曲名」(収録アルバム〜バンド名,発表年)の順です


1. Assault Attack ( ASSAULT ATTACK 〜 MichaelSchenkerGroup,1982 〜)
2. Are You Raedy To Rock ( MSG 〜 MichaelSchenkerGroup,1981 〜)
3. Let It Roll ( FORCE IT 〜 UFO,1975 〜)
4. Dust To Dsut ( TALES OF ROCK'N'ROLL 〜 MichaelSchenkerGroup,2006 〜)
5. Love Trade ( TALES OF ROCK'N'ROLL 〜 MichaelSchenkerGroup,2006 〜)
6. Shadow Lady ( TALES OF ROCK'N'ROLL 〜 MichaelSchenkerGroup,2006 〜)
7. Lights Out ( LIGHTS OUT 〜 UFO,1977 〜)
8. In To The Arena ( THE MICHAEL SCHENKER GROUP 〜 MichaelSchenkerGroup,1980 〜)
9. But I Want More ( MSG 〜 MichaelSchenkerGroup,1981 〜)
10. Too Hot To Handle ( LIGHTS OUT 〜 UFO,1977 〜)
11. On And On ( MSG 〜 MichaelSchenkerGroup,1981 〜)
12. Only You Can Rock Me ( OBSESSIONS 〜 UFO,1978 〜)
13. Armed And Ready ( THE MICHAEL SCHENKER GROUP 〜 MichaelSchenkerGroup,1980 〜)
14. Attack Of The Mad Axeman ( MSG 〜 MichaelSchenkerGroup,1981 〜)

Encores
15. Arachnophobiac ( ARACHNOPHOBIAC 〜 MichaelSchenkerGroup,2003 〜)
16. Doctor Doctor ( PHENOMENON 〜 UFO,1974 〜)
17. Rock Bottom ( PHENOMENON 〜 UFO,1974 〜)





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