マブラヴ
「EXTRA」 「UNLIMITED」 「ALTERNATIVE」





それは
とてもちいさな
とてもおおきな
とてもたいせつな

あいとゆうきのおとぎばなし






いやあ、やっと終わりました


何がって、「オルタ」ですよ、「オルタネイティブ」。


プレイ延べ時間、実に43時間、べらぼうなボリュームでしたよ。でも、最高でしたね。



さて、事ここに至ってマブラブ全体を無期限ですが封印する事としたのはまえがきで述べた通りなのですが、自分としても 再三予告してきて、わざわざこうしてスペースも取ってありますので、漠然とした感想だけでもあげておくべきかな? とも 思ったわけですので、この「仮」のスペースをお借りして本編封印の解除まで出しとこうと思います。

ただし、ある程度のネタばれは構成上仕方のない所ですので、極力未プレイの方に影響がないようにします。文字をステルス化 しておきますのでそのあたりは平にご了承ください。



さて、この作品は3部作構成となっています。基本となる「エクストラ編」、起承転結の「転」にあたる「アンリミテッド編」、 そして全ての物語を完結する「オルタネイティブ編」という構成。



まずは「エクストラ編」のレビューから。


このエクストラ編は、もともとのキャッチコピーである「超王道学園恋愛アドヴェンチャーゲーム」というものを指します。
主人公である「白銀 武」を軸とし、幼馴染の「鑑 純夏」、許婚の「御剣 冥夜」、そして彼らを取り巻く人たちとの 恋愛ドタバタコメディー物語です。
なお、この物語の舞台となっているのは、「君が望む永遠」の舞台となった「白陵柊学園」です。「君望」のヒロインの1人、 「涼宮 茜」は主人公たちと同級生という設定です。


SOA2回目の中で、「幼馴染は恋愛になったとして云々」ということを述べましたが、それはこの作品(特に明確に 表れているのはファンディスクの「マブラヴ・サプリメント」)で明確にされています。

純夏は主人公が好きですが、主人公はそれに気付いていません。かたや主人公も純夏が好きなのですが、自分自身がそれに 気付いていない。

純夏は別に主人公が他の娘を好きなわけではない事も知っていた訳なので、このままでも良いと思っていました。しかし、 冥夜の登場で一気に危機感が襲ってきたわけですね。そこで、これまでの関係から恋愛へと発展したいのですが、そこに 「幼馴染」という、ある種倦怠期の夫婦よりも厄介な「気恥ずかしさ」と「危うさ」があるために先に進めない、てな感じでしょうか。
お互いがこれまでの関係に、言い方は悪いですが「馴れきって」しまっているがために、そこから先には進めない、あるいは意味を 感じない、といった具合に。

たった一歩踏み出すのに必要なものは、この場合「勇気」と言えるのでしょうが、それは物凄く大きなものですよね。
頭ではわかっていても、それをポンっと引き出せるものではありません。誰もが持っている「勇気」ですが、それは 常に「弱気(臆病)」と背中合わせで、心理的には「勇気」とはその中に隠されているもの、ともいえます。

だから、ネガティブな思考が優先してしまうから、一歩踏み出す事を躊躇してしまう。でも、それでは進めないから 「勇気」をしぼり出す、という感じで、ともすればそれらが延々と繰り返されて、それが悩みになってしまうみたいな。

結局、純夏のこの「勇気」が、主人公と結ばれる「決定打」となったわけで(純夏エンドの場合ね)、踏み出す事の大切さが よく具現化されていると思います。
そのあたりは、本編公開時に詳しく載せてあります。

もちろん、この「エクストラ編」はマルチエンディング方式で、純夏、冥夜のほかにも、「榊 千鶴」、「彩峰 慧」、「珠瀬 壬姫」、 「神宮寺 まりも」といったキャラクターとのエンディングもあるわけでして、このあたりはまさに「超王道恋愛学園アドヴェンチャー」 の名に相応しい内容となっています。
特に後半、各キャラクターともそのシナリオは「しんみり」と感動する内容でして、この「エクストラ編」だけでも充分堪能できる 内容です。

なお、個人的な意見として、次の「アンリミテッド編」に進むにあたっては、直前のエンディングは「純夏エンド」で進むことを 強く推薦します。



では、次に「アンリミテッド編」へ。


この「アンリミテッド編」は「エクストラ編」の続編ではありません。
いってみればこの「アンリミテッド編」の世界は、「エクストラ編」の「並行世界」、いわゆる「パラレル・ワールド」的な世界です。
ただし、主人公「白銀 武」だけは「エクストラ編」の人間、つまりこの世界へ「投げ出された」存在です。

この世界は「BETA」と呼ばれる地球外生命体による侵略を受け、人類滅亡の危機に瀕しています。
その「BETA」は地球上の通常兵器では歯が立たず、唯一の攻撃手段(もちろん通常攻撃としての)は「戦術機」と呼ばれる 人型兵器だけです。

現状が把握できない武は学校へと彷徨い着きますが、そこは「白陵柊」ではなく「横浜基地」となっていました。
訳もわからないままに兵士に捕まり、牢屋で数日を過ごしますが、この基地の副指令「香月 夕呼」に救い出されます。
何かを知っている夕呼により、戦術機パイロットの候補生として訓練部隊に配属される主人公ですが、そこで見たものは、「元の世界」 で一緒だった「冥夜」、「委員長(榊)」、「彩峰」、「珠瀬」、そして「鎧衣」だった。

しかし、彼女たちは主人公を知らない、教官の「まりも」も主人公を知らない。

そして、この世界ではそもそも「白銀 武」はすでに存在していない事を図らずも知ってしまう。

「エクストラ編」とは全く違った世界観で、作品としても「超王道恋愛学園〜」とは全く違うものとなっています。


この「アンリミテッド編」でのエンディングは、結局「BETA」に敗れた人間は「オルタネイティブ5」という計画により 地球以外の近似環境の惑星に移住することになるわけですが、その一握りの移民に誰を選ぶか、という事ですね。

主人公はその愛する人を移民船に乗せて、自分は最後まで「BETA」駆逐のために地球に踏みとどまるわけなのですが。

ここまで読んで、何かに気付いた方もいると思いますが、この世界には「鑑 純夏」も存在していません。以下ネタばれなので 字を反転しますのでご注意を。



正確には「白銀 武」も「鑑 純夏」も存在していました。しかし、月詠さんが言っていた「何故死人がここにいる?」という 問いかけからも解るとおり、主人公はすでに死んでいる存在です。過去のこの世界の主人公と純夏のデータは夕呼が改竄していた というわけですね。ただし、皇室のデータバンクまでは改竄できなかったために、月詠さんには解ってしまった。
ちなみに、ここでの冥夜は「財閥の一人娘」ではなく、天皇に連なる一族の者という立場。月詠さんはその従者という関係です。
では、純夏も死んでしまったのか、というと、じつは「存在」はしています。
意外なところに純夏は、意外な姿で主人公の近くに居ました。それは次の「オルタネイティブ」で明かされます。



「エクストラ編」とは一変して全く違う世界観、しかし、そこにある世界は確かに「エクストラ編」の世界そのもの。
パラレルワールド、というある種可能性のみが未来を左右する世界にあって、主人公はそこで悩み、苦しみ、そして最後には 消えて行きます。

しかし、「オルタネイティブ5」という計画は「オルタネイティブ4」という計画の保険であった事、そしてそのオルタネイティブ4 が潰されたとき、夕呼が漏らした言葉に主人公は1つの疑念を抱きます。
そして、主人公は最後の戦いに赴く。


とまあ、そんな感じの「アンリミテッド編」なのですが、このままだと全く救われない物語だなあ、と思われる事と思います。
シナリオ中盤での、主人公と冥夜のやり取りには胸を打たれる事もありますが、それはあくまで人類が「BETA」に勝利して 初めて生きる言葉の数々なのではないでしょうかね。

物語は多くの疑問を残したまま、次の「ALTERNATIVE」へと続きます。



そして「オルタネイティブ」ですが。

これは「アンリミテッド編」で語られなかった物語、つまりは「純夏エンド」の話です。

「エクストラ編」と「アンリミテッド編」の因果関係、主人公だけがなぜこれらの世界を行き来するのか、純夏は何処にいるのか、 オルタネイティブ4とは何なのか、などの多くの疑問が一気に解明されます。
そして、感動を超えた感動が待っています。

内容というか、物語全体の雰囲気は政治的、軍事的な色合いが強いのでそのあたり、賛否両論とは思いますがその賛否こそが劇中 での主人公の葛藤そのものでもあるのではないかとも思います。

物語を進めていく中で、主人公と心情的にシンクロできるのは前作「エクストラ編」と「アンリミテッド編」をプレイしていれば 当然の事で、それ故に泣ける場面も多くありました。

個人的には、まりもちゃんの所とエンディング手前が1番の「泣き所」でしょうかね。
このあたりはアージュ節炸裂といったところですね。


さて、あまり細かくまとめたんで支離滅裂になりそうですので、この辺で。

あとは折を見計らって本編公開といたしましょう。それまでは「凍結」です。


では、最後に




「それは とてもちいさな とてもおおきな とてもたいせつな 
あいとゆうきの おとぎばなし」



感動が怒涛のように押し寄せてきます。





戻ります