アトリエ“EGRES”本舗

一回目
物欲の果てに


アトリエ EGRES誕生まで


フィギュアコレクターへの道

いまやすっかり中年ヲタクになってしまった私ですが。中でも最近、ズッポリとこれに嵌ってしまっています。
それは
 「美少女フィギュア」
なるものです。

言い訳じみて聞こえるかもしれませんが、これの何に魅力を感じるのかと言いますと、 すばり「現実にはありえない程の女体美」なのですよ、これが。
ちょっと横道に逸れますがそもそも「漢」ってのは、夢、幻想を追い求める生き物です。たぶん。
よく「女々しい男」の表現として
 「女に幻想を抱きすぎてんじゃないの?」
というものがありますが、これには声を大にして言いたい。

 「幻想抱いて何が悪いんじゃ!」

とね。

まあ、現実と幻想の区別がつくからこそ、ついてしまうからこそ余計にそれを追い求めるのも、 悲しいかな「漢の性」というものです。
その「求めるもの」は人によって様々でして、言い方をかえればこれこそが
「浪漫」
というものなのです。

で、私の場合、その浪漫の対象が「戦闘機」であったり「音楽」であったり「漫画・アニメ」であったり 「ゲーム」であったり、そして「絵」であり「模型」なのですよ、これが。
特にフィギュアは女性が殆ど。そしてそのどれもが、「男目線で見た理想とする女性像」なのですから、 浪漫の極みといっても差し支えないでしょう。
そこに、尋常ならざる「魅力」が溢れている、それ故にフィギュアに嵌ってしまうのです。
まあ、実際の処、女性にモテるくらいならそんな「浪漫」も希薄で、フィギュアには目もくれないのかも 知れませんが、いかんせん女性との接点が、今現在は全く無い私ですからこれも仕方がないですな。

話が脱線ぎみになってきましたな…
ただ、これも一気に嵌ったわけでなく、徐々に浸透していった、というのが正直なところ。
その経緯を振り返ってみました。



きっかけ 「NETの罠(Rio萌えに…)」

恥ずかしい話、独り身になるとどうしても趣味への没頭というのは深くなるみたいで、これまで散発的であった モノや諦めていたモノにのめり込むか手を出すかしてしまうみたいです。
ギターなんかもその良い例だと思います。
で、インターネット環境も整ったことで色々とその趣味の世界も拡張されていくわけですね。
そんな中見つけたのが、パチスロ「スーパーブラックジャック」の元祖萌えスロキャラ「リオ」のフィギュアでした。 いわゆる「プライズフィギュア」というものにカテゴライズされるものでしょうか、スケール的には1/12程度 のちっさいやつなんですが、造りこみは丁寧(中国製とは思えない程)で、迷わず買ってしまいました。
まだこの頃は「コレクションしよう」などとは露ほども思っておらず、行って見れば気まぐれでガチャガチャ やってみた、くらいの気持ちでした。いや、ホント。

でもね…

コンスタントに新しい種類が出るわけですよ。でもって、元々が凝り性なもので、それらもついつい買ってしまう 訳です。気がつけば、ちっこいリオがわんさかと…
オマケに、何故か知らんがF−4ファントムまでも勢ぞろい、と来たもんだ、これが。
しばらくはこのちっさいリオで勝負していたNET/TECMOですが、ここで私の転機となる出来事が起こります。 でっかいリオのフィギュアが出たりしました。
これによって、ミドル〜ビックスケールへの道が開かれてしまったわけです。


箍が外れた瞬間 「ラムは再び」

何とも懐かしいキャラクターが、PVC完成品フィギュアで登場しやがりました。私の「二次元キャラ執着のモト」 「ヲタクへの片道切符をくれたモノ」。
そうです、「うる星やつら」のラムちゃんですよ。
おおよそ1/8のスケールです。その造型も(失礼ながら)バンプレストの製品とは思えない程のクオリティです。 もとよりうる星やつらが大好きな私、それを買わないわけがありません。
これで、一気にコレクターとしての本能が暴走しはじめました。その暴走っぷりは自分でも気がつかないくらい、 言ってみれば「Love Is a Blind」みたいなものですか?気に入ったら、なんのキャラだろうがかまわず手にしていたりして。
もちろん、知っているものもありましたけど。
TECMOから出るリオや、デッドオアアライブの霞なんかも含めると、かなりの数になってました。 で、それはキャラから原作品を知り、原作品にもハマルという「悪循環」を生み出すに至ります。


 更なるハマリ 「涼宮ハルヒの暴走」

そんな中、まったくの別ルートではまってしまったアニメがありました。
「涼宮ハルヒの憂鬱」とかいうアニメで、やはり凝り性というか、関連商品を漁ることに…
話題性もさることながら、かなり人気があったアニメだけに関連商品は枚挙に暇がないほどでした。 で、買っちまうわけなんですが、ぶっちゃけどれでも、というわけには行きませんでした。
たしかに昨今のフィギュアは造型も素晴らしいものが多いのですが、やはりそこにはどうしても 序列みたいなものが発生します。 どうせ買うなら、よりイメージに忠実なものを買うのも当然で、さらにこれまでの「おかいもの」で自然と 「目利き」が少しは利くようになって、さらには拘りというのも出てきます。
多くは通販で、紹介画像もメーカーのいわゆる「プロトタイプ」が殆どでしたので、ここは結構慎重に 選択してました。
結局、“ハズレ”的なものは無く(強いて言えば強度の問題があったくらい)、またその数も結果的に セーブされたことになりました。
しかし…


トドメの一撃 「バニー長門は最終兵器だった」

極個人的な意見ですが、これまでのPVC塗装済み完成品の美少女フィギュアの中で、これほどまでに 元キャラに忠実な物はこれをおいて他にないとまで言えるものがコレでした。
WEB通販での画像を見たときにはそれはそれは衝撃的なほどの造形美を湛えていました。 もともと、「長門有希」が無機物(宇宙人ではなくHIだしね)という事もあってか、アニメの原画を そのまま三次元化した感じが良く出ていました。 おまけに、そこはかとなく醸し出される成長途中である少女特有の体つき=色っぽさもあって、一目で ホレこみましたね。
しかもスケールが1/4とくれば、もういう事なしです。
が、しかし、WEB上では軒並み「品切れ」が続いています。はい、買うこともできません。
不思議な物で、出回っていないとなると余計に手に入れたくなってしまう。これも物欲の成せる技なのでしょう。 仕方なくオークションでチェックすると、いやはや、もはや市場はかなりだぶついているようで、新品が 軒並み定価割れをしているではありませんか。
なんか昨今の先物取引市場の縮図みたいではありますが、まあそれはそれとして入手手段はこれしかありません。 ですので、さっそく購入、と。
比較的安価で入手し、手元に届けられた荷物を開梱し箱を取出してみると…

で、でかい!

さらに開けて現物を取出すと

やはりでかい!

大きさ、重量感ともにこれまで以上の感触です。これだけでも感動モノですが、じっくりと観察するまでも無く、 その造型のクオリティーにも感激しましたねえ。
なんというか、フィギュアがフィギュアとしてあるべき姿を具現化している、とでも言いましょうか、 とにかくこれにトドメを差されたって感じです。
芋づる式に「みくるバニー」と「鶴屋さんバニー」も、気がついたら買ってました。 そして、それはさらなる深みへの扉を開くに充分なものでもありました。


 衝撃の瞬間 「爆乳に魅せられて」

「涼宮ハルヒ」関係が一応の収束を見せ、なんかアニメ2期も発表以来展望なし、原作小説も発売延期のまま年を越そうとしてる など、世の中も「涼宮ハルヒ」からそっぽを向き始めた頃、例によってフィギュアサーフをしていたところ、 目に留まったのが「爆乳」でした。
「一騎当千」とかいう漫画のキャラですが、これがインスピレーションにダイレクトに響きました。
これまでも「乳のすばらしい」ものはいくつもありましたが、なぜかこの作品のキャラだけは不思議と別格に思えました。 で、ついつい買ってしまったわけです。
これは恐らく、キャラそのものはさることながら、そのフィギュアの完成度とセンスに寄るものが非常に大きかった んだと思います。
なんにしろ、「乳」に目が無い私です。即、「買い」でした。


怒涛の快進撃 「気がつけば150,000!」

フィギュアも増えてディスプレイも手狭になった時、ふと思ったのが、「これら全部でいくらになるんかいな?」 でした。
計算してみると…
なんと、フライングVが一本買える値段にまでなってました。
空恐ろしくなったのと同時に、「たからもの」という認識を強くする事にもなったわけですが、 だからと言ってここで止まる筈もなかったわけで…


 
そして…踏み込んでしまった世界 「ワンダーフェスティバル」

そんなこんなで行き着いた先は、「ガレージキット」です。
いや、フィギュアへの関心が元々は「ガレージキット」ですので行き着いたと言うよりは「原点回帰」と言ったほうが しっくりきますか。
で、折も折、「ワンダーフェスティバル」に行く機会があって行ってきたのはレポートの通りです。 やはり、こういうものは自分で丹精込めて作ってこそ愛着も湧くというもの、です。
もちろん、フルスクラッチなんてのは無理ですので、キットの組み立てになるんですけどね。 そして、ガレージキットを入手するに至ったわけなのですが。
もちろん、ガレージキットは「買って終わり」ではなかったわけです、当たり前ですけど。
そしてかつての「モデラー魂」は再燃する事になりました。そう、「観る楽しみ」と「造る楽しみ」の両立です。
かくして、フィギュア(Plusいろんなモデル)を造る為の

アトリエ“EGRES”

の構築が始まったわけです。



ちなみに、アトリエの名前の由来ですが
その昔、某自衛隊で戦闘機の整備員だった時、所属の「艤装班」では、いわゆる脱出用の射出座席も整備してました。
当然、火工品(まあ、いわゆる爆発物ですね)を取り扱うわけなのですが、その専用の作業室があったのです。
それが、通称「イーグレス」と呼ばれる隔離部屋で、言ってみれば艤装班の専用工房みたいな物です。
昔を懐かしむわけではありませんが、もともと「EGRES」
(注:スペルは合っているかどうか定かではありません。忘れてしまいましたので…) という単語は「退出口」とか「隔離」とか「はけ口」とかいう意味を持っているらしく、工房という観点、それに何かのはけ口、 という意味合いからも、これが妥当かな、と言う事でこの名前にしてみた次第です。
なお、「EAGLES」にすると「鷲の集団」になってしまいます。



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