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ACT.1

君が望む永遠〜DVDspecification〜



Copyright(c) アージュ


 さて、はじまりました。SOAです。
記念すべき第1回目は、アージュが放つ、エロゲ史上最も痛い、最も切ない、最もやりきれない、そして、 最も最高の感動を与えてくれる超“鬱”ゲーム、「君が望む永遠」です。

 すでに発売からかなり経っておりますが、じわじわとプレイ人口(フリーク)が増えてきたのか、昨年に もアニメ化されるなど、未だにその人気度は衰えていませんね。

まあ、すでに様々なホームページで紹介されているんで、何を今更とのむきもありましょうが、この手のジャンル を毛嫌いし、見向きもしなかった私の考えを180°、いや900°変えさせた、という言う点において、この作品 は最高評価に値しますので。
何しろ頑固な私、嫌だと思ったモンはまずやらない主義ですんで。
ちなみにこのゲームに手を染めたのは、友人の勧めから(けっこう意思薄弱だったりする?)。

この友人の悪魔の手招きが、「君望ワールド」へのパンドラの箱を開けさせたのですが、今ではそれに感謝 すらしています。

まあ、プレイしてみるとわかりますが、あまり積極的にプレイするべきっていうふうにはお勧めできません。
結構「来る」ものがある、ってか、一歩間違えると社会的不適合者へまっしぐら、の危険もありまして、それを私のせいにされてもかないません。
よって、絶対にプレイするべきです・・・あれ?、まあ、いいや。

 初回プレス版であるCD−ROM版よりも、このDVD版がベストであると判断したわけなんですが、そ の理由として「中途半端なまま救われないキャラ」がいた(らしい)とのことで、やはりハッピーエンドは 多いほうがいいじゃん!ってのが最大の理由です。はい。


 さて、じつはこの作品、18禁のPC版以外に、DC、PS2といったコンシューマーバージョンがあり まして、そちらは老若男女問わずにプレイできるわけなんですが、これだけ間口が広げられたという事実が、 この作品の傑作っぷりを如実に示していますな。

もっとも、年端のいかないガキンチョがプレイした所で、そうそう物語や各キャラクターの本質、複線などは理解できないと 思うし、単なる「重たいギャルゲ」で終わってしまう事は用意に想像できます。

なによりコンシューマー版では「エロ」は割愛されているだろうしね。

ちなみにその「エロ」シーンですが、おそらく誰もが想像するであろう「よくあるエロゲ」のそれとは一 線を画していると断言します。はい。

この作品においてのそれは私たちの日常同様の「物語上必然のエッセンス」であり、殊更強調されるもので はないと思うからです。それも含めてやはりある程度人生を歩んだ方でしか、楽しめないのでは、と。当然 流す涙の数も然り、ですが。


 先程も言いましたがここだけの話、かなり“ヤラレ”ます。はい。恥ずかしながら爆泣でした。私。

 語弊を怖れず言わせてもらえば、自己本位な方には本当につまらないゲームではないかと思います。
というか、他人の気持ちが伝わらない人には理解できない部分が多々あるでしょうから。
逆に他人の気持ちを少しでも考えようとする人にとっては物凄く痛い想いをする事になります。
(あぁ、どっちにしても「痛い」にはかわりないか・・・)
とはいえ、エンディングを迎えた暁にはそれはもう痛い分だけ素晴らしい感動が込み上げてくる事請け合いです(たぶん・・・いや、きっと)。




兎にも角にもまず、作品の紹介から。


この作品は第1章と第2章の2部構成です。第1章は、はっきり言って本筋へのプロローグです。

主人公と各メインヒロイン との出会い、そして交際のお話。

これだけ書くと、何だか良くありがちな普通のラブコメみたいですが、いや、じつはそんな所です。コメディーとまではいきませんが、それに近いですな。
但し、高校生辺りの恋愛模様がリアルに描かれていたり、時折胸に染むプロセスが散りばめられていたりと、 進めていく内に時間を忘れてゲームに引き込まれてしまうくらい、ストーリーがテンポ良く進むあたり、非常 によく組み立てられています。

プロローグ(導入部分)といいましたが、実際第1章は本編である第2章への“キーワード”がその本質です。
主人公を取り巻く環境や、周りの人々の心情など、第2章に深く係ってくるエピソードばかりです。
よって、じっくりとプレイする事をお勧めします。

ここで、登場人物の紹介をば。 あ、とりあえず第1章のみの紹介です。

鳴海 孝之主人公です。とりたてて特徴があるわけで無し、いたって普通な高校生。
速瀬 水月孝之のクラスメート。孝之たちとは3年になってからの付き合い。水泳部のエースで、将来は実業団入り確実とか。
涼宮 遙水月とは旧知の仲で、けっこう人気があるらしい。密かに孝之に想いを寄せていて、水月がその後押しをするのだが・・・。
平  慎二孝之の友人。これでもかと言うくらいの、「いい奴」。実は水月に・・・。
涼宮 茜遙の妹。水月に憧れている。その為か、水泳の実力と行動パターンは水月に似ているとか。

とまあ、こんな感じです。あまり詳しく書くとスペースがなくなりますんで。

閑話休題
この作品に触れて以来、何個かの「ギャルゲ」をプレイしましたが、主人公の置かれた環境が実に都合よくで きているものばかりであることに気が付いた。

いや、実際今作品が始めてだったので、過去の数多の「ギャルゲ」も恐らくはそうなんでしょうが。

「高校生で1人暮し」であるとか、「複数の異性が想いを寄せている」とか。
今後SOAで紹介予定の作品に「超王道学園ADV」なる作品が控えていますが、じつにそのまんま、それがスタンダードなんでしょうね。
現実離れしております。
まあ、ある程度非現実的でなければ、本当につまらない「ラブコメ」で終ってしまうんですが。
 じつは今作品でも、主人公は「高校生なのに1人暮し」というご都合環境なんですが、各ヒロインの「想いを寄せる」 プロットが実は、現実感が漂っていたりするし、ありえる所に、作品に感情移入しやすい要素があると思っております。
まあ、プレイヤーによりけりでしょうけども。



 さて、物語が進むに従って主人公とヒロインのバカップルぶりが弾けていきますが、途中の 出来事が無ければこうまで弾けることは無かっただろうと思うと、後々感慨深くもなろうというもの、なんですが、確か に高校生の頃ってのはこんな感じだよなあ、と懐かしむこともあったりして、その辺はまあまったりと進んでいきます。
孝之と遙、そして水月。全てがうまく行っているようにも思えていたんですが・・・




 で、突如としてそれは襲ってきます。
あまりにも突然、あまりにも悲惨、あまりにもショックです。
詳しい内容はここでは割愛しますが、それはあんまりじゃないか・・・と。楽しい日々は急転直下、悲しみとやるせなさだけの日々へと変貌してしまう。これにはやられました。
もう、本当に時間が止まりました。
ここまでのプロセスを、孝之にシンクロしていただけに、そのショックは甚大でした。似たような経験があったのも その衝撃に拍車をかけてしまったんでしょうが。
 さて、この後第2章に突入するわけですが、第2章の内容は全てネタばれになっております。
できればプレイ後に読んでいただければ幸いなんですが、見たい方は「遙・水月・茜」編へ。
ネタばれ駄目な方は「あとがき」へお進みください。



 遥・水月・茜 編 へ

あゆ・愛美 編 へ

蛍 編 へ


 あとがき へ


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