王道を貫く、ギャルゲの先駆にして金字塔
ときめきメモリアルシリーズ
さあ、それではSOA2回目、行ってみましょう。
とはいえ、何から書いたらいいものやら、いまさら説明するまでもなく、世間で「ギャルゲ」という
ジャンルを確立し、かつ広く認知されている作品ですね。
1994年、PCエンジン用のソフトとして発売され、以降スーパーファミコン、セガサターン、
プレイステーションと次々と移植され、まだネット環境が整っていない時期にもかかわらず口コミで
プレイ人口が増えて行きました。
第1作目である「ときめきメモリアル」(以下ときメモ1)は、前記のとおり口コミでその間口が広がり、
関連商品が大ヒットしたり、ファンによる同人活動などが激化したりして一種の社会現象を引き起こした
そうです。
いや、実は私、そんなものがあったなんて知りませんでした。
とはいえ、メーカーサイドもこれほどヒットするとは思っていなかったらしく、評判が広まったかなり後に
なって、関連商品の開発、販売に着手したそうです。
「PCエンジン」というコンシューマー機自体が、それ程ユーザーが多くなかった(失礼!)こと、評価の判定が
広まる要素(ネットなどのメディア)がまだなかったことを踏まえれば、それがわかろうと言うもの。
予想に反して(かどうかは定かではありませんが)大ヒットとなった「ときメモ1」は、その後人気のあるキャラクター
にスポットをあてた外伝的作品「ドラマシリーズ3部作」をリリースし、この作品群の人気を決定的なものにすることに
成功しました。
そして、ついに第2作目がリリースされます。
これが「ときめきメモリアル2」で、「ときメモ1」のリリースから5年後の事です。
「ときメモ1」の基本システムはそのままに、プラットフォームがプレイステーションへ移行した事による
性能向上にあわせて、システムのみならず内容もグレードアップしました。
特筆すべきは、「EVS」システムの導入でしょうか。
これはキャラクターが、登録した「名前」を「呼んで」くれるという、ある種この手のゲームでは「夢」であった
といっていい、画期的な代物であった事は想像に難くありません。
しかし、まだボリュームが足りなかったのか、開発が間に合わなかったのか、はたまた「ときメモ1」の成功に
味をしめて、作為的にそうしたのかは不明ですが、この「ときメモ2」でのEVSはたった2人のキャラにのみ
適用となっていました。他のキャラクターは、関連商品のオマケとしてついてくるディスクで初めて適用されるという、
なんとも残念なことになっています。
ちなみに今ではこのディスク、すでに手に入りません。
どんなに頑張っても手に入りません。たぶん。
この「ときメモ2」でも、やはり外伝的作品がリリースされています。
それが「サブストーリーズ」と題された作品で、「ときメモ1」同様、3部作構成となっています。
もはやオリジナルの「ときメモ」(以下本編と称します)では語りつくせない、各キャラクターの
側面を描くというのは、定番となりました。
たしか、この手のいわば「ファンディスク」的なものはこの作品が先駆けではなかったでしょうか。
というか、私あまりこの手のジャンルに詳しくないので知らないだけかも知れませんが。
そして、「ときメモ2」から数年後、プラットフォームをPS2へと移行して、大容量のDVDソフト
となった「ときめきメモリアル3 〜約束のあの場所で〜」がリリースされました。
この作品は、大筋では過去2作品のシステムを踏まえながらも新しい試みがなされました。
そのひとつが「トゥーン・レンダリング」というもの。
「トゥーン・レンダリング」自体は、かなり前からアニメなどに用いられてきましたが、ゲームで導入したのは
たしかこの作品が初じゃなかったでしょうか。
これはポリゴンで動くキャラクターに投影処理を施したもの、といえばわかりやすいでしょうか。
さらにEVSも全ヒロイン適用と、前作の反省点も盛り込まれています。
さて、ではこのゲームの内容は、というと基本的には
「高校生活の3年間に、自分を成長させて卒業の日に、目当てのヒロインから告白される事」
が第1の、というか、全ての目標です。
なにやら、非常に、とてつもなくキショい感じがします。
ゲームで、しかも自分を鍛えて?
鍛えるって、何を?ナニか?
告白ぐらい、自分から告れよ!みたいな、ね。
このあたりが、私が今の今までこの手のゲームを毛嫌いしていた最大の理由でもあるんですが、
それがコロッと変わったのは前回のSOAで延べた通りでして、それにしてもなぜに「ときメモ」か?
というのは、イマイチわかりません。他に適当な作品も見当がつかなかった、というのもありますが、強いていえば
「北斗のメモリアル」
が直接の原因です。元ネタがわからないとつまんない、という事で、ね。
思いっきり横道に逸れましたが、ようは恋愛成就までをシミュレートするのがこのゲームの基本コンセプトなわけです。
んで、実際にプレイしてみる(結局やるんだよね・・・)と、これが単なる恋愛シミュレーションではないと
実感しました。
あ、言い忘れましたが、私、多くの「ときメモフリーク」とはまったく逆の道を歩んでいます。
私が初めてプレイしたのが「ときメモ3」です。その後、「2」→「1」とカウントダウン方式でプレイ
しました。
何で?ときかれても、返答に困りますが、要はそういうこと。
後程個々の作品紹介のページで説明しますが、ストーリーの奥深さにこの作品の本質を見た気がします。
もちろん、その証拠として「ドラマシリーズ」や「サブストーリーズ」といったサイドストーリーが派生した
わけですから。あ、勿論、メーカーサイドが始めから意図していたかどうかは知りませんよ。
とくに「ドラマシリーズ」は(表現が悪いですが)取って付けたような感がしますしね。
とはいえ、そうは思えないほど完成度が高く、尚且つ感動的なのはさすが「コナミ」といったところでしょうか。
思いがけない「泣けるドラマ」に、思わずはまり込んでしまったのは不覚ではありましたが、感動が大きい
だけに、これはもう「やったモン勝ち」みたいなね(意味不明っすね)。
細かなゲームシステムなどはここでは割愛しますが、作品ごとの関連性について1つ。
基本的に個々の作品には繋がりはありません。物語が完全に独立した作品です。
ただし、「ときメモ1」と「ときメモ2」は、時間軸は同じ、それに隣接した市に存在する高校で、
一部のキャラは血縁者が互いの学校にいたりします。
「ときメモ3」ではその関連性は全くなく、一部過去のキャラが成長した姿でそれらしく出ている程度。
まあ、このあたりは好みがわかれるところではあるでしょうが、ゲームそのものが個人(この場合主人公とヒロインの2人)
の恋愛模様をキャラクターと同時進行する「シミュレーションゲーム」であり、ドラクエの「ロト3部作」みたいな壮大な物語はかえって
感動も薄れてしまう可能性がなきにしもあらず、といったところですんで、これはこれで善しとしましょう。
実際、人ひとりの物語ってのはそんな簡単に語り尽くせる程浅い物ではないですが、かといってそれを完全に軸にしてしまうと
シミュレーションゲームとしては成り立たない物になってしまいますしね。ドラクエはRPGだから面白かったんだとも思います。
かといって全くそこに触れない物であれば、薄っぺらな、それこそ何の意味も無い物にもなってしまいますし。
故に、キャラクター同士の横のつながりというか、主人公を軸にしたコミュニケーションこそが最大のエッセンスでもあり、
そこに対象となるキャラの物語が絡んでくる所に、この作品の妙味があるんだと思います。
事実、そういったテーマ自体が存在しないゲームに面白みは見出せないし、そもそも私はプレイしないし。
さて、あまりだらだらと御託を書き連ねても仕方がないので、作品毎のアウトラインを追って見ましょう。
シリーズ自体がでかいので、かなりのボリュームになってしまいました事をはじめにお断りしておきます。
なお、例によって
「ネタばれ全開」
でありますので、そのあたりはご了承の上、先にすすんでくださいませ。
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