ときめきメモリアル2
(含 関連作品)



覚えていますか?
あの頃のこと・・・
あの頃の想い・・・

サブストーリーズ

Danching Summer Vacation

Leaping School Festival

Memories Ringing On



「ときめきメモリアル」初リリースより実に5年、ついにリリースされた第2弾がこの「ときめきメモリアル2」です。

プラットフォームがプレイステーションへ移行したことによるビジュアルを始めとしたハード面によるシステムの向上と、 あらたに加えられた「EVS」という機能が特筆すべき点でしょうか。

EVS(EmotionalVoiceSystem)とは、キャラクターがプレイヤーが登録した名前を呼ぶ、という もので、この手のゲームではある意味「夢」であったシステムともいえ、後のこのジャンルではスタンダートともいえるものですね。

基本的なゲームスタイルは前作と全く同じです。
高校3年間で自分の能力を磨き上げ、意中の女の子から告白を受ける、という至極恥ずかしい内容。
ただ舞台が「きらめき高校」から、隣町(市)にある「ひびきの高校」へと変わっています。

ハードが変わったことにより、ソフトボリュームの上限がかなり吊り上げられたわけですが、今作品はなんとCD−ROM実に 5枚組。容量としては何倍なんでしょ?かなり増えています。
それは当然ながら内容にも反映されており、シナリオ全体のボリュームは実に奥深いものになっています。
その最たるものが「幼年期」というシナリオの追加でしょうか。


この「幼年期」が、物語上非常に大きな意味を持っています。
つまり、前作よりも物語性が重視されているという事を意味しており、それは「本編」にも密接に関わってくるものでも あります。
特に、今回のメインヒロインとの絡みは非常に重要でして、「幼馴染」という、ある意味漠然とした関係に具体性を 持たせたという点においては、非常に効果があるといえます。それは前作での「幼馴染」というキーワードがそれ程 作品全体、とくに物語上に密接に関わっていなかった事の反省点がフィードバックされているようにも思えてとても好感が持てます。

今作品でもヒロインは多数存在します。恒例の隠しキャラを含め13人。
ゲームシステムは前作と全く同じで、ヒロインへのアプローチ方法も同じです。

ただ、前作と決定的に違う所があります。それは「主人公は相当鈍い」というところ。
どことなく恋愛に関してさほど興味を持っていないとも思える人物像です。
おそらくは前作の主人公以上に、異性に対して貪欲なほど興味があるのだとは思います。友人の「坂城 匠」 や「穂刈 純一郎」との会話からもそれは窺えますが、どうもそれ程積極的ではない。

言い換えると、前作以上に主人公=プレイヤーという図式が成り立っていないようにも感じます。
それはそれで結構なんですけれども、あの鈍さは見ていてややあきれてしまいます。それが主人公の「優しさの一端」と 言ってしまえばそれまでなんですが、そうであればもう少し他人の気持ちを汲んであげるべきなんじゃないかな?とも 思っちゃいます。
ま、それがあるために物語が感動的になるのも確かなんで、良しとしましょう。


なお、この「ときメモ2」にも前作同様、サイドストーリーが存在します。
「ときめきメモリアル2 サブストーリーズ」と題された作品ですが、内容としては前作と同じコンセプトです。
ただ、すでに本編でもある程度物語の奥行きがとってある為に、「ときメモ1」ほどの周りくどさは感じられません。とはいえ、 今回は全キャラクターが対象となっていますので必然的にボリュームはあります、はい。
では順を追って紹介しましょう。
まず1作目が
「Dancing Summer Vacation」
と題された作品で、この作品では「寿 美幸」、「白雪 美帆」、「八重 花桜梨」がメインヒロインとなっています。
内容は後述しますのでそちらをご覧くらさい。

んで2作目が
「Leaping School Festival」
という作品。こちらはメインがはっきりしませんが「一文字 茜」、「赤井 ほむら」 、「伊集院 メイ」それぞれがメインをはっています。

で、最後の作品が
「Memories Ringing On」
という作品。こちらは主役中の主役、「陽ノ下 光」、「水無月 琴子」、「麻生 華澄」の3人 がメインとなっています。
その他、集大成にふさわしくオールキャストが出演、おまけに前作からのゲストもおります。

本編も含めて、なんですが、「主人公の鈍さ」は相当な物でして、特に最終作の「MRO」では確信犯とも思えるとぼけっぷりをかまして くれます。これらの作品の評価を下げているのは、ほかならぬ主人公と言うのもなんだかなあ、です。

「確信犯」=自らの行為が正しいと信じて行う犯罪の事を指す

ではさっそく、この作品に登場するヒロイン達を見ていきましょう。 ちなみに、主人公には「男友達」もいるわけですが、当然の事ながらそれは割愛、というか無視する事にしましょう。


陽ノ下 光
Hikari Hinomoto
今作品のメインヒロインで、やはり主人公の幼馴染という設定。
ただ、主人公とは幼年期での別れ以来7年間というブランクがあるので、正確には「知り合い」といったほうがほぼ的を射ている感じがします。
ゲーム進行上は別として、幼い日に別れた主人公に一途な想いを寄せています。でも、高校入学を機にその想いを諦め、 というか断ち切ろうとしましたが、主人公に再会してその思いは再燃した、といったところでしょうか。
常に他人に気を使い、でも自己をしっかりと保持していて、それでいてとても優しい、どこかの女帝とは全く違う性質です。
とてもいい女の子ですね、この娘は。
トレードマークの「泣きボクロ」さえも、違った意味を持っていると錯覚してしまいそうです。
彼女はとても前向きです。明るいです。でも、その反面辛い事や悲しい事を自分の中に閉じ込めてしまうようです。
優しいが故に、他人の事を優先してしまうが故に自己を犠牲にしてしまう、ある意味ではネガティブな面ももっていますが、 それは彼女が想いを寄せる人物(つまりは主人公)の行動如何に左右される、というのも特徴でしょうかね。
そういう側面が顕著に表れているのが、「サブストーリーズ」の「MRO」でしょう。
本編での3年次の文化祭イベントもそうなんですが、彼女の一途な想いは時として破壊力最大級の「武器」にも成り得ると言えるでしょう。 彼女のあのいじらしいというか、健気な面を見てしまうと、ついつい光エンディングに突っ走ってしまいます。
エンディングでの涙の告白なんて、ついついもらい泣きしてしまうくらいです。幼年期での別れのシーンと相まって、この娘のシナリオは とても胸に沁みる物語となる事でしょう。


水無月 琴子
Kotoko Minaduki
このシリーズ全てにでてくるキャラクター中、一番のお気に入り♪
この娘見たさにプレイしているといっても過言ではありません。もう、大のお気に入りです。
日本の文化をこよなく愛し、どことなく近寄りがたい雰囲気をかもし出している、光の親友。
トレードマークの長い髪には、誰にも話せない秘密が隠されています。
光とは中学からの付き合いで、光の主人公への切なる想いを知っている唯一の人物。
この娘は出会った当初は、取り付く島もないほど素っ気無かったり、きつく当たったりします。それは別に主人公を毛嫌いしているわけでも ありません。
しかし、言葉の端々に非常にトゲがあり、主人公とは完全に一線を引いた態度をとっています。なぜか?
彼女は光に負けず劣らず、とても大きな思いやりの持ち主です。とことん優しく、そして実はか弱く泣き虫でもあります。
主人公への冷たい態度は、これらの表れ、または裏返しといって良いでしょう。
光のため、そして自分のため。
詳しくは後述する「MRO」の項で解説しますが、主人公には光ただ1人を見て欲しい、たとえ自分が、主人公に 恋をしたとしても、光の想いを叶えてあげたい、それがあの態度の根拠でもあるわけです。うう、健気でいい娘や・・・。
 この娘はその態度や見た目とは裏腹に、とても傷付きやすく、泣き虫な女の子です。シナリオ後半で、どこか憂いのある表情を見せるように なるのは、その儚げな面の表れですね。「MRO」ではそれが顕著に表れています。
とにかく彼女、ハッピーエンドであろうとなかろうと、全キャラクター中1番辛いのではないでしょうか。仮に主人公が彼女を 選んだとしても、望みが叶ったとしても光への裏切りという思いに苛まれていくわけでしょうし。
彼女が見た目どおりの強い女の子であったなら、あそこまで悩まないでしょうし、それ以前に主人公への想いだってすぐに断ち切っていたでしょうし、 本心から光と主人公の恋を応援していたかもしれませんしね。
とはいえ、そこまで強くなるにはもっと沢山の出会いと別れを経験しなければ、人間的に大きく成長しなければできない事でしょうから、それを 多感な少女に望むのは酷というものです。
ともかく、友情を犠牲にしてまで恋を選んだのですから、ぜったいに幸せになって欲しいと切に願うばかりです。


麻生 華澄
Kasumi Asou
綺麗なお姉さんは好きですか?っていうのがありましたけど、嫌いな人っているんですか?
そんな感じの華澄さんです。
主人公、そして光とは幼年期からの付き合いで、そのころから主人公には「近所のお姉さん」というよりも「憧れのお姉ちゃん」という 思い入れがあったのかもしれません。
2年次の時に、教育実習生、そして翌年には新任教師として現れるんですが、彼女のルートは非常にハードルが高くなっています。
「ときメモ1」の詩織に勝るとも劣らないくらいに。
余談ですが、この作品において、メインヒロインである光を完全に喰っちゃっているキャラです。オープニングでの「憶えてますか・・・」で 始まるナレーションも彼女、エンディングロールも彼女がトップ、「DSV」のオープニングでは完全に彼女をクローズアップしている節があり ます。どこかで聞いた話なんですが、その「DSV」オープニングが本来の本編OPになる予定だったが、彼女が前面に出すぎていたために没になった というエピソードがあるくらいです。
開発スタッフの中では1番人気だったんでしょうかね。言い換えれば、影のメインヒロインといえます。
彼女の性格は、一言では言い表せません。そもそも女性ってのは男にとって永遠の謎であるので、言わずもがななんですが、設定が固まっている はずのゲームキャラであるにもかかわらず、やはり謎なんですよね、なんで主人公を選んだんだろう?とかね。
とはいえ、彼女も年上の女性ではありますが、か弱い女性でもあるんですね。そういった意外性というか、王道的な様式美みたいなところが、 彼女の「謎の部分」と相まって、支持者が多いことの理由のような気もします。
でも、1つだけ言わせてもらえれば・・・
どうか「安全運転」で、ね。


一文字 茜
Akane Ichimonji
家庭の事情により、学業よりもバイトで忙しい毎日を送る少女。
兄と2人暮らしで、一家の生計を一手に引き受けています。たぶん。
この娘の特徴としては、いわゆる「ナイスバディー!」と言う所。なんとバストは90cm台です。しかもスレンダーときていますから、 もうボン・キュ・ボンここに極まれり、です。
と、そんな所ばかりに目がいってしまいますが、もう1つの特徴も忘れてはいけませんな。
この娘は「強い」です。そりゃあもう強いのなんの、パワフルさではシリーズ中ナンバーワンです。
それもそのはず、前作、そして今作品にも出てきやがる「総番長(ププッ)」は彼女の兄その人、そして彼女は、そんな兄をも 一撃でK・Oしてしまいます。
彼女が兄と二人暮しを余儀なくされている理由は、彼女の両親が武術を極めるために修行の旅に出ているからなんですね。そんな 一家で育った彼女です。強いのも頷けますね。
ただ、強いとはいっても普段の彼女からはそんな印象は受けません。至って普通の、元気な女の子です。バイトが忙しくて、他の女の子 みたいに遊びやおしゃれ、恋愛にも興味はありますがそれが出来ない。悩みの1つではあるのでしょうが、そんな所を微塵も見せない 所は腕っ節だけじゃなく精神的にも強いのかな、という感じです。
ぶっちゃけ、彼女との恋愛はとても気を使ってしまうでしょう。あの「兄」の事はいいとしても、家庭の事情(つまり生活ね)が最優先ですから その辺をわきまえてデートなりをしなければならないのですからね。
彼女は基本的に優しくて他人に気を配れる娘です。であれば、こちらもそれに甘えることなく彼女を気遣ってあげられるだけの「人間的に強い」 男になる必要があるでしょうね。


八重 花桜梨
Kaori Yae
ときめきメモリアル全てのヒロイン中、1、2を争う人気の娘。
登場したての頃は、そりゃあもう、素っ気ないの何の、まるで主人公なぞアウトオブ眼中ってな雰囲気です。
でも、それは何も主人公に限った事ではなく、おそらく学校、あるいは周辺の人全てに対してそんな態度を取っているようですね。
要するに、彼女は人を「避けて」います。人と交わることを極力避けている。
長身で容姿がよく、言ってみれば美人の部類に入るのだとは思いますが、暗い雰囲気は単に「根暗」というよりはどこか「影を帯びている」 といった感じ。しかし、単にそれだけでは抜群の人気を得られるわけはありません。
「裏切られた」
ただその1つの、非人道的な行為が彼女を「人間不信」にしてしまったわけです。まあ、充分過ぎる理由ではあります。
特に多感な年齢の、女の子です。ちょっとした「嘘」なら、内容にもよりますが笑って過ごせることも可能だとは思いますが、彼女の場合は シャレになっていません。
極端な言い方ですが、「ひびきの高校」にいること自体不思議に思えます。ま、これは完全に「不信」に陥ってはいない、という、言わば「蜘蛛の糸」 をかろうじて掴んでいる、という事でしょうね。
ただ、主人公(恐らくは他にも多数)の偽りのない行為、言動によって彼女はその糸を昇り切ることができたわけですが、心の傷は 時間が癒してくれるのを待つしかないのでしょうかね。
エンディングでは一応ハッピーエンドとなりますが、未だに主人公と親しい友達(佐倉さん)以外に心を開いてはいないみたいですから、ね。
ちなみに彼女も、シリーズ中屈指の「ギャップアティテュード・キャラ」ですが、BGMのキーすらマイナーからメジャーへ変わるのは 彼女が唯一。しかも、「実は年上」という隠し要素も持っています。なお、彼女以外の年上キャラは、先の華澄さんを含めあと3人います。


寿 美幸
Miyuki Kotobuki
はちきれる程の元気を振りまき、突き抜ける程の明るさを誇る彼女ですが、それをも上回る不幸パワーの 持ち主でもあります。
ほんの些細な事から、シャレにならないような事故まで、毎日彼女に降りかかりますが、持ち前の「ポジティブ・シンキング」で、そんな 物どこ吹く風、ってなかんじです。まあ、慣れちゃった、というのもあるのでしょうが。
とはいえ、毎日気を張って過ごしている事も事実で、その緊張に疲れてしまった時には、ナーバスになるのも仕方がないところでしょう。
そんな彼女は時折、寂しげな表情を見せます。それは何も自分に厄災が降りかかる事への失意ではなく、それによって他人に危害を 加えてしまう事への罪悪感なんですね。基本的に彼女は「自分よりも他人」を気遣う、人間的に優しい娘なんですよ。
ただ、不器用というか、ちょっとぶっ飛んでいる感じが、そうではないように思わせているだけ、みたいな、ね。
声の甲高さが苦手、という人もいると思いますが、そんな表面的な所しか見ていない人には、彼女の本質は見出せないのではないでしょうか。
ちなみに私もあの「キンキン声」はきついっす。でも。あの声は「機動戦艦ナデシコ」の「メグミちゃん」の声なんですよね。う〜ん・・・
問題なし!


白雪 美帆
Miho Shirayuki
おしとやかで、夢見る少女、美帆ちゃんです。
女性デザイナーによるキャラデザインという事で、言われてみればどこか女の子らしさに溢れているようにも思えます。
あの髪型は謎ですが。
文学、または芸術に造詣が深く、自分でも小説や舞台のシナリオを描いたりしていますが、と同時に現実逃避する癖も持っています。
その手段としての「文学」であればそれはやや危険な感じもしますが、そうではないところに彼女の魅力があるようにも思えます。
夢見る少女のその本質は、現実を直視するが故の「ファンタジー回帰」(?)ともいえます。
そんな彼女ですが、じつはけっこう面白いもの好きなのかも知れません。
それは双子の妹によって、垣間見る事のできる「意外性」でもあります。


白雪 真帆
Maho Shirayuki
もう1人の美帆、というか美帆ちゃんの双子の妹、それがこの娘。
いわゆる「隠れキャラ」の1人で、本編では「白雪 美帆」として登場します。
時折美帆と入れ替わり、美帆としてひびきの高校に現れます。なぜ、そんなことをするのか。
答えはたぶん、「面白い」から。
制服をみてわかる通り、本来は「きらめき高校」の生徒です。性格は美帆とは全く逆だそうですが、美帆が入れ替わりを断らない 所を考えると、案外似たもの同士なのかも知れません(いや、双子だって)。
彼女はきらめき高校の「朝日奈 夕子」や「鑑 魅羅」とは親友なんですが、ヒナちゃん同様、友達は多いらしく彼女同様、 裏表の無い(いや、有るか?)フレンドリーな性格は皆に好かれているようですね。
そんな真帆ちゃんですが、恋愛に関してはヒナちゃんや鑑さん以上に関心があるみたいです。


赤井 ほむら
Homura Akai
元気いっぱいでがさつで細かい事を気にしない、遊びの達人、ほむらっちです。
「女の子らしさ」からは遠くかけ離れているような、そんな感じの彼女ですが、実際その通りです。
学校では一年生にして「生徒会長」なんかをやっていますが、これは入学式に遅刻してきた「罰」として「やらされている」という 事実があります。これには校長と彼女の関係が深く関わっています。
そこには彼女の「男勝り」な性格の真実も見え隠れしますが、実際、そんな過去や事情を抜きにしてあの天真爛漫な彼女の存在自体が 輝いて見えるんだから、別にそこはあえて触れなくてもいいですか、いいですね。
彼女は「現実に存在しそうにない、かといって虚像ともいえない」というある種ゲームキャラとしてのアイデンティティそのものといった 感がありますが、ゲーム中での振舞いもあってか、「女の子」というよりも「身近な友達」といった印象が強い事もあって私的にとても 気に入っています。


佐倉 楓子
Kaedeko Sakura
ある意味「恋愛物の王道的展開」にとてもマッチしたキャラクターといえる彼女。
「ときメモ1」の虹野さんと同じく、「スポーツ」が好きな娘で、初登場のシーンでは主人公を野球部に勧誘しようとします。
しかし、虹野さんと確実に違っているところは、「これ以上ない位女の子然としている」所でしょうか。
このあたりは好みが別れるところでしょうけれど、個人的には特に気になりません。
キャラクター的には嫌いではないんですけれど、彼女のルートは非常に抵抗があります。
「遠距離恋愛」をモチーフにしたシナリオとなっているんですけれど、それが私は大嫌いでして。
「遠距離恋愛」なんてモンはするモンじゃありません。それを何の障害もなく乗り越えられる恋愛は、恐らく小数点以下の確率でしか 無いと断言できます。故に「遠距離恋愛」を見事成就できた実話は「美談」として語られるんじゃないでしょうかね。
かく言う私は「遠距離」に無残に敗れ去りました、故にそこまで断言できるんですが。
話が逸れましたが、やや内気な彼女ですが内に秘めたパワーには圧倒されます。
「やっと逢えた・・・」そんな感動を笑顔と共に運んでくる彼女のシナリオは必見でしょう(抵抗あるんじゃなかったっけ?まあいいや)。


九段下 舞佳
Maeka Kudanshita
綺麗なお姉さんは好きですか?というか働く綺麗なおねいさんは好きですか?
そんな感じの「働くおねいさん」、九段下 舞佳(まえか、と読むらしい)さんです。
華澄さんとは同級生で、中学からの友人でもあります。ちなみに、一文字 薫(総番長)も同窓生だったりします。
隠しキャラの1人で、バイトする彼女に逢うには一苦労しますが逢えた時にはその苦労も報われようというもの、とてもやりがいがありまする。
大人の色気を振りまく彼女ですが、働く事に情熱を燃やすその姿勢は違った意味で「大人の女性」を感じさせてくれますね。
このゲームの最大のキーワードである「鳴らない伝説の鐘」の鍵を握る唯一の人物で、それは彼女のエンディングで明かされます。
また、バイト自体も謎が多く、特に意味不明なあのバイトはその極致でしょうか。まあ、彼女のお陰で一文字さんとのハッピーエンドを 迎えられたのかと思うと、意外と(といっては失礼だが)いい人なんですね。
彼女のエンディングもいいんですけど、個人的には一文字さんのエンディングでの
「頑張って、茜ちゃん」
のくだりが1番好きだったり。


野咲 すみれ
Sumire Nozaki
究極の隠しキャラ、すみれちゃん。
本編の3年間を通して、都合3回しか逢えないのに恋愛へと発展してしまいます。
ゲームという世界である以上、それもありかな?と思ってしまいますが、それが単純にそうでないところに彼女のエンディングが 用意されているのではないかとも思えます。
まあ、これは前作ドラマシリーズのみに出演した「美咲 鈴音」と「秋穂 みのり」へのオマージュとも取れますが。
彼女の置かれた環境と心情が、短い物語の中にも詰め込まれているところは、非常に良いと思えますが、惜しむらくは その表現シーンそのものが少ないというところでしょうか。せっかくの「感動物語」なんですから、ね。
普通の女の子の生活に憧れる彼女、そんな彼女はある意味「ときめきメモリアルシリーズ」の仮想恋愛エッセンスそのままの存在のようにすら 感じるというのは大げさすぎるでしょうか?


伊集院 メイ
Mei Ijyuinn
あの伊集院 レイの妹にして、我侭にして意地っ張りな娘です。
主人公の1つ後輩ではありますが、当然主人公の事なんざ先輩なんて思ってはいません。むしろ下僕とまで言い放ちます。
我侭ではありますが、実際にはそれ程自己中心的とは感じられませんね。高圧的ではあるんですが、どこか遠慮しているような 感じもします。
もっとも、彼女にそんな意識は毛頭ないようですが、それは単なる「よくあるお嬢様」ではないという所が非常に大きいのでは ないのでしょうかね。そんな彼女の本当の姿が「LSF」では明確に描かれています。
赤井さんとは犬猿の仲ですが、その理由が実は主人公というのは、どうも私的には謎なんですけど。
やはり、伊集院家の女の子は惚れっぽいんですね、家系的に。


 個人的な見解ですけれど、シリーズの中ではこの作品が1番のお勧めです。それぞれのキャラクターの繋がりも、それぞれの個性も、 物語の奥深さと相まってとても良い仕上がりになっているように思います。
「恋愛シミュレーション」の体裁をあえて取らずとも良かったともいえる仕上がりでして、たしか前作には「OVA」もあったと 思うのですが(見た事は無いですけど)こちらの作品をOVA化したほうが良いんじゃないかとも思えるほどです。

ただ1つ難点といえば、1人ひとりのキャラクターが立っている分、一回のプレイ時間が比較的長い、という所でしょうか。
時間に余裕があれば良いのでしょうが、私のようにおっさんになると睡眠時間を削ってまでプレイすると翌日に響いてしまう というネックがあります。

まあ、そこさえ目をつぶればやり応えのある作品である事は確かです。サブストーリーも含めてぜひプレイしてみてください。


サブストーリーズ1
「Dancing Summer Vacation」を見る

サブストーリーズ2
「Leaping School Festival]を見る

サブストーリーズ3
「Memories Ringing On」を見る

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